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プログラミング教育は,理科や総合的な学習の時間ではどのように取り組むのでしょうか。
理科では,電気の性質や働きを利用した道具の学習で,プログラミング体験を通して,条件に応じて動作が変化する考えに気付かせる学習例があります。

実験や観察,実体験をプログラミングに代える学習は避けます。

総合的な学習の時間では,探求的な学習の過程に適切に位置付けます。

内容は示されておらず,カリキュラム開発が待たれます。


本稿では,学習指導要領の理科編と総合的な学習の時間編についてまとめています。






1 プログラミング教育は学習活動

新学習指導要領(平成29年3月公示)では,「プログラミング教育」や「プログラミング的思考」の言葉は表記されていません。

プログラミング教育の内容としては,プログラミングを学習活動の工夫として表記しています。

これから,総則と算数科に引き続き,その具体を理科と総合的な学習の時間で考えます。

 2 理科「電気の性質や働きを利用した道具」

第2章各教科第4節理科

第3 指導計画の作成と内容の取扱い

2 第2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

(2)観察,実験などの指導に当たっては,指導内容に応じてコンピュータや情報通信ネットワークなどを適切に活用できるようにすること。また,第1章総則の第3の1の(3)のイに掲げるプログラミングを体験しながら論理的思考力を身に付けるための学習活動を行う場合には,児童の負担に配慮しつつ,例えば第2の各学年の内容の〔第6学年〕の「A物質・エネルギー」の(4)における電気の性質や働きを利用した道具があることを捉える学習など,与えた条件に応じて動作していることを考察し,更に条件を変えることにより,動作が変化することについて考える場面で取り扱うものとする。

 3 プログラミング体験で,条件に応じて動作が変化する考えに気付かせる

(1)条件に応じて動作することに気付く学習

理科では,身の回りには,電気の性質や働きを利用した道具があることをとらえる学習があります。

その学習の場面で,プログラミングの学習活動を取り入れます。

プログラミング体験を通して,エネルギーの効果的な利用のために,様々な電気製品にはプログラムが活用され条件に応じて動作していることに気付くことができるようにします。

ここでの論理的思考力の具体は,「与えた条件に応じて動作していること」を考察し,更に「条件を変えることにより,動作が変化すること」について考えるという見方考え方です。

(2)理科のねらいを踏まえプログラミング体験を設定

算数と同じように,理科でもねらいとする内容があります。コーディングを覚えることがねらいではありません。

理科の学びの本質は,自然事象について問題を見いだし,より妥当な考えを導き出すことです。

そのために,プログラミングの学習活動を適切に位置付け子供の探究的な学びを実現する必要があります。

また,理科では実験や観察は欠かせない重要な学びの場面です。実際の自然事象に触れる実験や観察を避けたり,実体験をプログラミングに代えたりする学習は避ける必要があります。

 4 総合的な学習の時間の取り扱い

第5章総合的な学習の時間

第3 指導計画の作成と内容の取扱い

2 第2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

(9)情報に関する学習を行う際には,探究的な学習に取り組むことを通して,情報を収集・整理・発信したり,情報が日常生活や社会に与える影響を考えたりするなどの学習活動が行われるようにすること。第1章総則の第3の1の(3)のイに掲げるプログラミングを体験しながら論理的思考力を身に付けるための学習活動を行う場合には,プログラミングを体験することが,探究的な学習の過程に適切に位置付くようにすること。

5 プログラミング体験を探求的な学習の過程に適切に位置付ける

(1)探求的な学習の過程に適切に位置付ける

総合的な学習の時間では,その特質から具体的な内容については触れられていません。

示されているのは,プログラミングを体験することが探求的な学習の過程に適切に位置付くようにすることです。

総合的な学習の時間では,子供たちが設定した課題に基づいて,一人一人が課題解決の計画を立て調べ活動を行っていきます。

したがって,プログラミングの学習活動が一連の学習計画の中で,課題解決に向かうものである必要があります。

(2)カリキュラム開発が必要である

例えば,ごく簡単な仕組のロボットが,センサーの反応に応じて動くことに子供が興味・関心をもったとします。そのことから課題を設定して仕組を調べていく学習場面では,プログラミングの体験が生かされやすくなります。

しかしながら,総合的な学習の時間は,課題を各学校が学校教育目標等に照らして設定し,また,具体の課題は,一人一人の児童がもつものです。

全児童一律に,同様の学習活動を設定する必要性については,ねらいを達成する観点から十分なカリキュラム検討が必要です。

その意味で,総合的な学習の時間のカリキュラム開発が期待されるところです。

1 プログラミング教育の理科での具体例は,電気の性質や働きを利用した道具の学習で,プログラミング体験を通して,条件に応じて動作が変化する考えに気付かせることです。

2 実験や観察,実体験をプログラミングに代える学習は避ける必要があります。

3 総合的な学習の時間では,探求的な学習の過程に適切に位置付けます。

4 総合的な学習の時間では,ねらいを達成を踏まえたカリキュラム開発が待たれます。

文部科学省「小学校学習指導要領」平成29年3月:, [online]http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/__icsFiles/afieldfile/2017/04/27/1384661_4_1.pdf(参照2017-4-20)