翻訳サイトの効果的な利用の仕方
複数ある翻訳サイトを,うまく活用できないでしょうか。
翻訳サイトの利用の仕方は,まず,Google翻訳とBeing翻訳で翻訳し,2つの翻訳の文の組み立ての違いを視覚的に比較し,意味の違いをつかみます。

特に,修飾語と被修飾語の関係の違いには注意します。選択肢を明確にし,既有の知識をもとに1つを選択します。

専門用語があればエキサイト翻訳を利用します。

本稿では,その具体例をまとめています。

1 効果的,効率的な翻訳サイトの使い方で,実際に調べる

プログラミング教育は,イギリス等の海外ではどのよう実施されているか,イギリス教育省の指導内容等の情報をインターネットで調べることにしました。

内容の理解のために,翻訳サイトを利用しました。

利用に当たっては,既に得た下記の知見を翻訳の道具とし,実際の分析に入りました。

【効果的,効率的な翻訳サイトの使い方】

Google翻訳を中心にする。必要に応じてBing翻訳で確認する。専門用語がある文章はエキサイト翻訳で確認する。

英語力はほとんど無いので翻訳サイトに頼りながら,これまでの若干の知識をもとに内容を推測しながら理解していきました。

2 Google翻訳とbeing翻訳を使って翻訳する

翻訳の対象は「National curriculum in England: computing programmes of study」の冒頭の文です。

まずは,自力で翻訳してみました。内容は,以下の通りです。

Purpose of study

A high-quality computing education equips pupils to use computational thinking and creativity to understand and change the world.

 

学習の目的

高い質のコンピューティング教育は,児童生徒が,世界を理解し世界を変えるためのコンピューター的な思考(プログラミング的思考)と創造性を発揮できるようにします。

先の文では,次の2点が不明でした。

◯ 「the world」は「国際的な世界」を指すのか,「子どもたちが出会う世界」を指すのか,「コンピューター的な思考や創造性を要する場面の世界」を指すのか。

現段階では,「子どもたちが出会う世界」ととらえることが妥当と考えています。

ただ,コンピューター的な思考や創造性を要する場面の世界を指すならば,「必要とするとき必要な力を発揮できる」と言う趣旨になると考えます。

使える場面では「確実に使える」ことがねらいと考えられます。

「確実に使える」ことは,日本のプログラミング教育の一つのポイントでもあります。

◯ もう一つがキーワードの「computational thinking」の訳です。

「コンピューター的な考え方」と訳すのか,日本の教育界で言われている「プログラミング的思考」と同義と考えてよいのか。

そこで,Google 翻訳で翻訳すると,

勉強の目的

高品質のコンピューティング教育は,世界を理解して変えるために,計算上の思考と創造性を生徒に与えます。

また,Bing翻訳で翻訳すると

研究の目的

高品質のコンピューティング教育は,理解し,世界を変える計算思考と創造性を使用するように生徒を装備しています。

と表現されました。

3 翻訳結果の違いについて考察する

Google翻訳とBing翻訳の違いは大きく3つあります。

1点目は,読点「,」の配置です。

2点目は,「equips pupils to use」の訳し方です。

3点目は,キーワードの「computational thinking」の意味です。

(1)読点「,」の配置

まず,1点目についてです。

Google翻訳では, 「to understand and change the world」が「ために,」と翻訳され,「世界を理解して変えるために,…与えます。」の意味になります。

一方,Being翻訳では「理解し,世界を変える計算思考と創造性」と翻訳され,「理解し,世界を変える」は,「計算思考と創造性」を修飾する言葉となっています。

この2つの翻訳を比較して考えると,「to understand and change the world」は,文章全体の目的と捉えてもよいし,「thinking and creativity」の修飾語と考えても良いことになります。

どちらを取るかは,読み手の判断によるということです。

読み手の筆者としては,

「to understand and change the world」は,「thinking and creativity」に係り,「世界を理解し考えることができる思考と創造性」

との趣旨と考えます。

従って,「ために,」を「ための」とする方がより文章の趣旨を表していると考えます。

(2)「use」の意味

次に,2点目についてです。

「equips pupils to use」の訳し方です。

Google翻訳では,「use」の意味も含めて「生徒に与えます。」と翻訳しています。

一方,Being翻訳では,「使用するように生徒を装備しています。」と翻訳し,「use」の「使う」という意味を表に出しています。

筆者は,この違いをニュアンスの違いと考えています。

したがって,このuseの使い方については,その他周辺の知見を織り交ぜて翻訳を考えていく必要があります。

(3)キーワードの「computational thinking」の訳

さらに,3点目です。

キーワードの「computational thinking」の訳です。

これをGoogle翻訳では「計算上の思考」, being翻訳では「計算思考」と翻訳しています。

これらの翻訳結果から推察すると,専門的な固有名詞として使われており,今後調べることが必要なキーワードと考えられます。

特に,「computational」は,限定的な思考方法を指しているものと考えられます。

そこで,専門用語に強いエキサイト翻訳を利用します。

研究の目的

高品質なコンピューティング教育は,世界を理解し,変更するためにコンピュータ処理の思考と創造性を用いるために,生徒を装備している。

エキサイト翻訳では,「computational thinking」を「コンピュータ処理の思考」と翻訳しています。

なるほどこの翻訳であれば,キーワードのイメージが掴めそうです。

(4)考察結果と既有の知識から翻訳結果を選択し意訳する

以上の翻訳結果や違いの考察を考慮するとともに,筆者の若干の知識を織り込んで,筆者なりの翻訳をすると以下のようになりました。

学習の目的

質の高いコンピューティング教育が実現できれば,児童生徒が,コンピューター的な思考(プログラミング的思考)と創造性を確実に発揮できるようになり,出会う世界を理解しよりよく変えていくことができます。

少々,大げさな表現ですが,趣旨はこのようなことではないかと考えます。

なお,「Computational Thinking」を検索すると,「CT/計算論的思考」の訳がありました。

この点も含め,今後の課題として調べていくこととします。

参考情報です。

Google翻訳には,翻訳結果のテキストをコピーするボタンがあります。

それをクリックすると,メモリーにコピーされ,wordなどの文章に直接貼り付けることができます。

これはとても便利でした。

翻訳サイトの利用の仕方のまとめ

1 Google翻訳とbeing翻訳のそれぞれで翻訳を表示する
2 念のため単語の意味の間違いがないか確かめる
3 2つの翻訳の文の組み立ての違いを,視覚的に比較し,意味の違いをとらえる
4 修飾語と被修飾語の関係について,関係の違いをつかみ,意味の違いを考える
5 2つの選択肢の中から,自分のもつ知識を織り込んで1つを選択する
6 専門用語と思われるキーワード等がある場合にはエキサイト翻訳を利用する