Windows 10 ver.1903等更新しないとサポートが短縮する恐れ
Windows 10 ver.1903 がリリースされました。このようなWindows 10 の大型アップデートは,適用した方がよいのでしょうか。
特に理由がなければ,アップデートすべきです。

理由は,アップデートすれば,機能の改善や品質の向上が図れるからです。何より,更新したWindows 10 に対するサポート終了日のない継続的なサービスが受けられるからです。
Windows 10 ver.1709のメインストリームサポートは2019 年4月9日にすでに終了し,ver.1803 は2019年11月12日の終了が迫っています。






1 大型アップデート適用の必要性

2019 年5月21日,Windows 10 ver.1903 が,公開されました。このようなWindows 10 の大型アップデートは,適用した方がよいのでしょうか。
結論としては,特に理由がなければ,アップデートすべきです。
理由は,アップデートすれば,新機能が得られたりセキュリティ等の品質の向上が図れることはもちろんです。加えて,更新したWindows 10 に対するサポート終了日がない継続的なMicrosoftのサポートが受けられるからです。

前ver.1809については,下記のようにMicrosoftは「自動的に提供されるまで待つこと」を勧めていました。しかし,ver.1903については,そのような趣旨の記載は目につきません。特に慎重に作業が進められているようです。

Windows 10 October 2018 Update 更新プログラムは,お手持ちのデバイスの準備が整い次第,自動的に更新されます。*
* Windows 10 October 2018 Update,Windows Update により自動的に実行されます。更新プログラムのダウンロード後,インストールが完了するまでの所用時間が通知されます。現在の Windows 10 のバージョンのサービスが終了した場合,Update Assistantを使用することですぐにアップデートを始めることができます。
Microsoft Windows 「Windows 10 October 2018 Update 更新プログラム」[ONLINE]https://www.microsoft.com/ja-jp/windows(参照2018.11.18)

ただ,ver.1903のアップデートでは,影響範囲の大きいものや致命的なものは少ないものの,すでに計14件が確認されました。しかしながら,現在このうち5件が既に解決されています。アップデートに当たっては注意が必要です。

下記に不具合の具体と対応策及び対応状況が詳述されています。参照ください。
Microsoft「Windows 10 リリース情報 Version 1903 既知の問題とお知らせ」[ONLINE]https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows/release-information/status-windows-10-1903(2019.6.11)

すべてのユーザーが利用可能に

Current status as of June 6, 2019:
Windows 10, version 1903 is available for any user who manually selects “Check for updates” via Windows Update. The recommended servicing status is Semi-Annual Channel.
Microsoft「Windows 10, version 1903 and Windows Server, version 1903」[ONLINE]https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows/release-information/status-windows-10-1903(2019.6.11)

2019年6月6日現在の現状では,Windows 10バージョン1903は,Windows Updateを介して「更新プログラムのチェック」※1を手動で選択するすべてのユーザーが利用できるようになりました。
※1 Windows Update : 「スタート」→「設定」→「更新とセキュリティ」→「更新プログラムのチェック」
【追記】2019.6.11

ところで,2018年1月9日,Windows 8.1 のメインストリームサポートが終了しました。ただし,延長サポートの終了は2023年1月10日です。
すでに延長サポートをも終了した,Windows XP やWindows Vistaに対しては,Windows Update からソフトウェア更新プログラムが提供されません。
これには,個人情報を盗む有害なウイルス,スパイウェア,その他の悪意のあるソフトウェアからPCを保護するためのセキュリティ更新プログラムが含まれます。
また,Windows Update では,ハードウェアの新しいドライバーなど,Windows の信頼性を向上させる最新のソフトウェア更新プログラムもインストールされます。

Windows XP やWindows Vista は,これらすべての更新プログラムの提供が受けられません。
では,Windows 10 のサポート終了は,どうなるのでしょうか。
Windows 10 については,大型アップデートを適用する場合としない場合で,サポート期間に違いがあります。

本稿では,このような,Windows 10 に対するMicrosoftのサポートの期間や仕組について説明します。

2 固定ポリシーとモダンポリシー

Windows 製品は,製品のリリース日とサポート終了日が重要です。
この主要な日程を知ることで,ソフトウェアの更新やアップグレードなどを行うタイミングが適切に決められます。

それに関わり,Windows OS の製品には,「固定ライフサイクル ポリシー(以下,固定ポリシー)」の対象となる製品と「モダン ライフサイクル ポリシー(以下,モダンポリシー)」の対象となる製品があります。

固定ポリシー

サポート終了日が定義されている製品とサービスを対象とする。

固定ポリシーには,ビジネス,開発者,およびデスクトップ オペレーティング システムのポリシー,コンシューマーおよびマルチメディア ポリシー,デバイスのオペレーティング システム ポリシーが含まれる。

モダンポリシー

サポート終了日がない継続的なサービスおよびサポート モデルに従う。

モダン ポリシー自体は,2016 年 8 月に正式に導入され,オンプレミスおよびオンラインの両方の製品とサービスにこの継続的なモデルを提供する。

※「モダン ポリシーと固定ポリシーに関するお知らせ」Microsoft サポート 最終更新日:2017/04/19[ONLINE]https://support.microsoft.com/ja-jp/help/4014109/announcing-modern-and-fixed-policies(2019.6.7)より一部抜粋

Windows 8.1 および 7のようなWindows OSの以前のリリースは固定ポリシーに,Windows 10 の半期チャネル (SAC) ,いわゆる大型アップデートはモダンポリシーに該当します。

3 固定ポリシーの2つのサポート

(1)メインストリーム サポートと延長サポート

Windows 8.1 および 7のようなWindows OSの以前のリリースは,固定ライフサイクル ポリシーに準拠します。

これらのWindows OS には,サポートされる Service Pack レベルで ,10 年間のサポートがあります。
そのサポート期間の内訳は,最低 5 年間の「メインストリームサポート」と最低 5 年間の「延長サポート」です。

メインストリームサポートと延長サポートの違いは以下の通りです。

 サポートの種類 メインストリーム サポート 延長サポート
製品の設計と機能を変更する要請 利用可能 利用不可
セキュリティ更新プログラム 利用可能 利用可能
セキュリティ以外の更新プログラム 利用可能 ・延長修正プログラム サポートでのみ利用可能
・デスクトップ OS コンシューマー製品では利用不可
有償サポート 利用可能 利用可能

※「Microsoft のビジネス,開発者,およびデスクトップ オペレーティング システムのポリシー」Microsoft サポート 最終更新日:2018/04/19[ONLINE]https://support.microsoft.com/ja-jp/help/14085/fixed-lifecycle-policy(2019.6.7)より一部抜粋

次に示すように,固定ポリシーに準拠したWindows製品は,提供日から初めの5年間,すなわちメインストリームサポート期間中は,製品の設計と機能を変更するプログラム,セキュリティ更新プログラム,セキュリティ以外の更新プログラムのサポートを受けることができます。

次の5年間,すなわち延長サポート期間中は,セキュリティ更新プログラムのみサポートを受けることができます。セキュリティの担保のみでよければ,10年間はWindowsのサポートを受けることができます。

それ以降は,セキュリティ更新プログラムを含め,すべてのプログラムの提供はありません。

クライアント オペレーティング システム メインストリーム サポートの終了 延長サポートの終了
Windows 8.1 2018年01月09日 2023年01月10日
Windows 7 Service Pack 1 2015年01月13日 2020年01月14日

「Windows ライフサイクルのファクト シート(Windows 8.1 および 7)」[ONLINE]https://support.microsoft.com/ja-jp/help/13853/windows-lifecycle-fact-sheet(2019.6.7)

もちろん,Windowsが使えなくなるのではなく,Windowsの起動や操作はできます。
しかし,サポートの終了したOSが稼働するPCをネットワークに接続したり,データを他のPCと共有したりすることには大きなリスクを伴います。

(2)製品のライフサイクルの検索

上記表の Windows 8.1 メインストリーム サポートの終了が2018年01月09日,延長サポートの終了が2023年01月10日のような終了日については,下記の「製品のライフサイクルの検索」で調べることができます。

ビジネス,開発者,およびデスクトップ オペレーティング システムのポリシーは一部の製品には適用されません。
該当する製品で特定のサポートとサービスの開始日と終了日を確認するには,ライフサイクル製品データベースを検索してください。

Windows のサポート「製品のライフサイクルの検索」

Microsoft サポート「製品のライフサイクルの検索」[ONLINE]https://support.microsoft.com/ja-jp/lifecycle/search(2019.6.7)






4 モダンポリシーに準拠するWindows 10 更新プログラム

Windows 10 の半期チャネル (SAC) は,モダン ライフサイクル ポリシーと呼ばれる新しいルールに準拠しています。Windows 10 では,Windows のビルド,展開,およびサービス提供を行うための新しい方法が導入されました。

モダン ライフサイクル ポリシーの対象となる製品およびサービスは,製品またはサービスについて公開されたサービスおよびライセンスの要件に従って最新の状態を保ち,製品またはサービスを使う権利を持っている限りサポートされます。

マイクロソフトは,無料の製品,サービス,またはプレビュー リリースを除き,後継の製品またはサービスを提供せずにモダン ライフサイクル ポリシーの対象となる製品のサポートを終了する場合,少なくとも 12 か月前に通知します。

※Microsoft サポート「モダン ライフサイクル ポリシーに関する FAQ モダン ライフサイクル ポリシーの定義を教えてください。」最終更新日:2018/02/16[ONLINE]https://support.microsoft.com/ja-jp/help/30882/modern-lifecycle-policy-faq(2019.6.7)

Windows 10 の更新プログラムはサービスとして組み込まれています。そのため,Windows の各更新プログラムには,それ以前のすべての更新が累積的に含まれます。

一般ユーザーに関係の深い更新プログラムには,「機能更新プログラム」と「品質更新プログラム」があります。

機能更新プログラム

年に 2 回,3 月と 9 月ごろにリリース。Windows 10 に新機能を追加する。
3~5年ごとに Windows をリリースしていた以前の方法と比較して,変更内容は少ない。

品質更新プログラム

セキュリティやセキュリティ以外の修正プログラムの両方を提供する。いつでもリリースされるが通常,毎月第 2 火曜日にリリース。 品質更新プログラムには,セキュリティ更新プログラム,重要な更新プログラム,サービス スタック更新プログラムとドライバーの更新プログラムが含まれる。
このプログラムは累積的であるため,最新の品質更新プログラムをインストールすると,利用可能な修正プログラムをすべて取得できる。

※「サービスとしての Windows のクイック ガイド」Windows IT Pro Center2018/10/17[ONLINE]https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows/deployment/update/waas-quick-start(2019.6.7)

Windows 10 は,1 年に 2 回,機能更新プログラムが提供されます。

各 Windows 10 機能更新プログラムは,その機能更新プログラムの提供日から 18 か月間,品質更新プログラムが提供されます。

Windows 10 のバージョン別サービス提供終了日

Windows 10 ver.履歴 提供日 サービスの終了※1
Ver.1903 2019年05月21日 2020年12月08日
Ver.1809 2018年11月13日 2020年05月12日
Ver.1803 2018年04月30日 2019年11月12日
Ver.1709 2017年10月17日 2019年04月09日
Ver.1703 2017年04月05日 2018年10月09日
Ver.1607 2016年08月02日 2018年04月10日
Ver.1511 2015年11月10日 2017年10月10日
Ver.1507 2015年07月29日 2017年05月09日

注意: 更新プログラムに含まれているすべての機能が,すべてのデバイスで動作するとは限りません。デバイスのハードウェアに互換性がない場合,最新のドライバーが見つからない場合,または相手先ブランド供給 (OEM) のサポート期間外である場合,デバイスで更新プログラムを受け取ることができない可能性があります。

※1 Windows Home,Pro,および Pro for Workstation エディションのサービスの終了

※ Microsoft サポート「Windows ライフサイクルのファクト シート」 最終更新日: 2019/05/30[ONLINE]https://support.microsoft.com/ja-jp/help/13853/windows-lifecycle-fact-sheet(2019.6.7)より一部抜粋

注意点として,「サービスの終了日」は,「メインストリームサポート終了日」です。

先に述べたように,固定ポリシーの「メインストリームサポート」は最低 5 年間でした。
しかし,Windows 10 については,いわゆる大型アップデートのレベルで言うと,機能更新プログラムの提供日から 18 か月間,品質更新プログラムが提供されます。
すなわち,「メインストリームサポート」は18 か月間となります。

したがって,Windows 10 については,機能更新プログラムを適用しないでいると,サポート期間が短縮する恐れがあります。

いわゆる大型アップデートをWindows 10に適用すれば,Windows 10 の機能の改善とセキュリティ等の品質の向上が図れます。そして,何より,サポート終了日がない継続的なサービスおよびサポートが継続します。

以上のことから,結論は,特に理由がなければ,大型アップデート,すなわち機能更新プログラムは適用すべきです。

Windows 10 ver.1903 のようなWindows 10 の大型アップデートは,適用することを前提にPCのメインテナンスを計画し実行したいところです。