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平成13年に「子どもの読書活動の推進に関する法律」が成立し,これまで第一次から第三次基本計画の取組を行いました。第三次基本計画期間中の子供の読書活動は,どう変化したのでしょうか。
主な課題として,小中学生の不読率は,中長期的には改善傾向にありますが,高校生の不読率は依然として高い状況です。
いずれの世代においても第三次計画で目標とした進度での改善は図られていません

原因は以下のように分析されます。また,計画改正の主なポイント次のようです。
① 中学生までの読書習慣の形成が不十分
② 高校生になり読書の関心度合いの低下
③ スマートフォンの普及等による子供の読書環境への影響の可能性

各世代の施策に反映

計画改正の主なポイント
① 読書習慣の形成に向けて,発達段階ごとの効果的な取組を推進
② 友人同士で本を薦め合うなど,読書への関心を高める取組を充実
③ 情報環境の変化が子供の読書環境に与える影響に関する実態把握・分析

概要

下のグラフは,1ヶ月1冊も本を読まなかった人の割合「不読率」の推移です。

不読率の推移(%)

不読率

第63回学校読書調査(公益社団法人全国学校図書館協議会・株式会社毎日新聞社)

不読率については,小学生,中学生は中長期的に改善傾向にありますが ,高校生は依然として高い状況にあります。

このことなどを受け,平成30年4月20日(金曜日)「第四次子供の読書活動の推進に関する基本的な計画」が閣議決定されました。

この計画は,平成13年に成立した「子どもの読書活動の推進に関する法律」に基づき,概ね5年ごとに政府が決定し,今年度から概ね5年間に渡る子供の読書活動の推進に関する基本方針と具体的な方策を明らかにしたものです。

この計画では,特に高校生の「不読率」の改善に向けて,読書習慣の形成に向けた,発達段階ごとの効果的な取り組みの推進,友人同士で本を薦め合うなど,読書への関心を高める取り組みの充実,情報環境の変化が子供の読書環境に与える影響に関する実態把握・分析等を行います。

以下は,「第四次子供の読書活動の推進に関する基本的な計画」の概要(取組の経緯,成果と課題)です。

1 これまでの読書活動推進の取組

子供の読書活動は,言葉を学び,感性を磨き,表現力を高め,創造力を豊かなものにし,人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないものであり,社会全体で積極的にそのための環境の整備を推進していくことは極めて重要です。

(1)「子どもの読書活動の推進に関する法律」の成立

平成13年に「子どもの読書活動の推進に関する法律」(以下「推進法」)が成立しました。

推進法は,「子どもの読書活動の推進に関し,基本理念を定め,並びに国及び地方公共団体の責務等を明らかにする」とともに,国が「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」(以下「基本計画」)を策定・公表すること,4月23日を「子ども読書の日」とすること等を定めることにより,「子どもの読書活動の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進し,もって子どもの健やかな成長に資する」ことを目的としています。

(2)第一次・第二次・第三次基本計画の策定と実施

また,推進法第8条第1項の規定に基づき,政府は,平成14年8月に,全ての子供があらゆる機会とあらゆる場所において自主的に読書活動を行うことができるよう,環境の整備を積極的に推進することを基本理念とする第一次基本計画を定め,家庭,地域,学校等の連携・協力を重視した施策に取り組みました。その後,平成20年3月には第二次基本計画,平成25年5月には第三次基本計画を定めました。

(3)第三次基本計画期間における成果と課題

第三次基本計画期間中においては,学校図書館法の改正,学習指導要領の改訂等,子供の読書活動に関連する法制上の整備がなされ,家庭,地域,学校等において様々な取組が行われてきました。

一方,依然として読書習慣の形成が十分でないなどの課題があるほか,情報通信手段の普及・多様化等,子供の読書活動を取り巻く環境の変化も見られます。

(4)第四次基本計画の策定

第三次基本計画期間における成果や課題,諸情勢の変化等を検証した上で,ここに新たな「子供の読書活動の推進に関する基本的な計画」 (「第四次基本計画」。以下「本計画」。)を定めることとします。

本計画は,今後おおむね5年間にわたる施策の基本的方針と具体的な方策を明らかにするものです。…以下略…

※ 文部科学省「子供の読書活動の推進に関する基本的な計画「はじめに」」平成30年4月[ONLINE]http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/30/04/__icsFiles/afieldfile/2018/04/20/1403863_002_1.pdf(参照2018.4.24)を加工して作成

2 第三次基本計画期間における子供の読書活動に関する状況

(1)子供の読書活動に関する取組の現状

① 家庭・地域における取組

〇 図書館数が漸増し過去最高
〇 児童室を有する図書館が増加
〇 児童用図書の貸出冊数が増加
〇 読み聞かせ等を行うボランティア登録制度を設けている図書館が漸増
〇 子供が主体的に読みたい本を選択するための有効な手段であるオンライン閲覧目録(OPAC)導入率が上昇

② 学校等における取組

〇 全校一斉の読書活動を行う学校の割合が増加
〇 司書教諭の発令は,12学級以上のほとんどの学校で実施,11学級以下の学校においては発令が増加傾向
〇 学校司書を配置する学校の割合が小学校,中学校においては増加傾向
〇 我が国の子供の読解力は,国際的に見て上位の一方で,直近の2015 年調査では2012年調査と比較して読解力の平均得点が有意に低下

(2)子供の読書活動を取り巻く情勢の変化

① 学校図書館法の改正等

〇 学校図書館法の改正(平成26年成立)専ら学校図書館の職務に従事する職員としての学校司書の法制化。

〇 学校司書への研修等の実施について規定。

② 学習指導要領の改訂等

(平成29,30年公示)

〇 総則において学校図書館の利活用や読書活動の充実を規定。

③ 情報通信手段の普及・多様化

〇 スマートフォンの普及やコミュニケーションツールの多様化。

3 基本的方針

(1)子供の読書活動に関する課題

〇 小中学生の不読率※は,中長期的には改善傾向にあるが,高校生の不読率は依然として高い

〇 いずれの世代においても第三次計画で目標とした進度での改善は図られていない

※ 不読率:1か月に一冊も本を読まない子供の割合

子供の読書の現状2

(2)子供の読書活動に関する課題の分析と取組の方向性

分析

① 中学生までの読書習慣の形成が不十分

② 高校生になり読書の関心度合いの低下

③ スマートフォンの普及等による子供の読書環境への影響の可能性

本をあまり読まない理由2
各世代の施策に反映

計画改正の主なポイント

① 読書習慣の形成に向けて,発達段階ごとの効果的な取組を推進

乳幼児期:絵本や物語を読んでもらい,興味を示すようになる 等
小学生期:多くの本を読んだり読書の幅を広げたりする読書 等
中学生期:内容に共感したり将来を考えたりする読書 等
高校生期:知的興味に応じた幅広い読書 等

② 友人同士で本を薦め合うなど,読書への関心を高める取組を充実

読書会,図書委員,「子ども司書」,ブック トーク,書評合戦(ビブリオバトル)等の活動

③ 情報環境の変化が子供の読書環境に与える影響に関する実態把握・分析

スマートフォンの利用と読書の関係 等

※ 本文及び要点:文部科学省「第四次『子供の読書活動の推進に関する基本的な計画』及び概要」平成30年4月[ONLINE]http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/30/04/__icsFiles/afieldfile/2018/04/20/1403863_002_1.pdf(参照2018.4.24)を加工して作成

※ グラフ:文部科学省「第四次『子供の読書活動の推進に関する基本的な計画』(関係資料)」平成30年4月[ONLINE]http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/30/04/__icsFiles/afieldfile/2018/04/20/1403863_003_3.pdf(参照2018.4.24)を加工して作成

読書習慣の形成が求められる学校等の方策(第四次基本計画)