hinamaturi
平成29年告示の小学校学習指導要領国語科の目標は,どのようなものでしょうか。
小学校国語科では,「言葉による見方・考え方を働かせ,言語活動を通して,国語で正確に理解し適切に表現する資質・能力」の育成を目指します。

国語科の資質・能力は,
国語で表現された内容や事柄を正確に理解する資質・能力
国語を使って内容や事柄を適切に表現する資質・能力
そのために必要となる
国語の使い方を正確に理解する資質・能力
国語を適切に使う資質・能力
を含んだものです。
小学校国語科では,日常生活に必要な国語についての資質・能力の育成を目指します。

言葉による見方・考え方を働かせるとは,
児童が学習の中で,対象と言葉,言葉と言葉との関係を,言葉の意味,働き,使い方等に着目して捉えたり問い直したりして,言葉への自覚を高めることです。

掲載の趣旨

平成29年告示の学習指導要領では,資質・能力や内容などの全体像を分かりやすく見渡せるよう,枠組みが大きく見直され「学びの地図」として整理されました。
その趣旨に添い,本稿では,解説本文を次のように編集しています。
・ 目標解説の内容が捉えやすいように原文を装飾
・ 他教科等・他学校種の目標や解説が比較しやすように編集
具体的には,本文は原文通りで,次のように編集しています。
・ 各教科等の目標の解説を共通した章立てで構成
・ 学校種間の対応する内容についてリンクで移動 など
掲載の趣旨の詳細は,下のボタンより参照できます。

「掲載の趣旨」の詳細

なお,本稿は,「文部科学省ウェブサイト利用規約」(2018年3月1日に利用)に基づいて,原本を加工し作成しています。
小学校・中学校各教科等の目標の解説 「小・中学校「教科等の目標解説を縦横に読む」シリーズ」は,下のボタンより閲覧できます。

小・中学校各教科等の目標解説






小学校 国語科の目標

1 教科の目標

教科の目標は,次のとおりである。

国語科の目標

言葉による見方・考え方を働かせ,言語活動を通して,国語で正確に理解し適切に表現する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
⑴ 日常生活に必要な国語について,その特質を理解し適切に使うことができるようにする。
⑵ 日常生活における人との関わりの中で伝え合う力を高め,思考力や想像力を養う。
⑶ 言葉がもつよさを認識するとともに,言語感覚を養い,国語の大切さを自覚し,国語を尊重してその能力の向上を図る態度を養う。

※ 中学校国語科の目標との違い:「日常生活」→「社会生活」,「よさ」→「価値」,「養い」→「豊かにし」,「国語の大切さを自覚し」→「我が国の言語文化に関わり」
※ 平成10・20年小学校学習指導要領「国語」目標
「国語を適切に表現し正確に理解する能力を育成し,伝え合う力を高めるとともに,思考力や想像力及び言語感覚を養い,国語に対する関心を深め国語を尊重する態度を育てる。」
※ 平成元年小学校学習指導要領「国語」目標
「国語を正確に理解し適切に表現する能力を育てるとともに,思考力や想像力及び言語感覚を養い,国語に対する関心を深め国語を尊重する態度を育てる。」

中学校国語科「目標」

2 柱書

教科の目標では,まず,
国語科において育成を目指す資質・能力を国語で正確に理解し適切に表現する資質・能力とし,国語科が国語で理解し表現する言語能力を育成する教科
であることを示している。
言語は言語形式とそれによって表される言語内容とを併せもっている。
平成20年告示の学習指導要領においては,
・ 「国語を適切に使う能力と国語を使って内容や事柄を適切に表現する能力」,
・ 「国語の使い方を正確に理解する能力と国語で表現された内容や事柄を正確に理解する能力」
両方の内容を含んだものとして,国語を適切に表現し正確に理解する能力」を示していたところである。
※ 言語 = 言語形式 + 言語内容 ゆえに 能力も両面有り
言語の役割

(1)資質・能力

【国語で正確に理解し適切に表現する資質・能力】

今回の改訂において示す国語で正確に理解し適切に表現する資質・能力とは,
・ 国語で表現された内容や事柄を正確に理解する資質・能力,
・ 国語を使って内容や事柄を適切に表現する資質・能力
であるが,そのために必要となる
・ 国語の使い方を正確に理解する資質・能力,
・ 国語を適切に使う資質・能力
を含んだものである。

正確に理解する資質・能力と,適切に表現する資質・能力とは,連続的かつ同時的に機能するものであるが,
表現する内容となる自分の考えなどを形成するためには国語で表現された様々な事物,経験,思い,考え等を理解することが必要であることから,
今回の改訂では,「正確に理解」,「適切に表現」という順に示している。

※ 国語による表現内容の理解 → 考えの形成 → 考えの表現 ゆえに,①理解,②表現

中学校国語科「資質・能力」

(2)見方・考え方

【言葉による見方・考え方を働かせる】

言葉による見方・考え方を働かせるとは,
児童が学習の中で,
・ 対象と言葉,
・ 言葉と言葉との関係を,
言葉の意味,働き,使い方等に着目して
捉えたり問い直したりして,言葉への自覚を高めることである
と考えられる。

様々な事象の内容を自然科学や社会科学等の視点から理解することを直接の学習目的としない国語科においては,言葉を通じた理解や表現及びそこで用いられる言葉そのものを学習対象としている。
このため,「言葉による見方・考え方」を働かせることが,国語科において育成を目指す資質・能力をよりよく身に付けることにつながることとなる。

※ 言葉による見方及び考え方の具体については,実際の具体の指導内容に基づいた教材研究を要する。
以下筆者拙考
言葉による見方・考え方を働かせる対象:対象と言葉との関係,言葉と言葉との関係
言葉による見方(考える視点):言葉の意味,働き,使い方等
言葉による考え方:(言葉の正誤・適否・美醜等を)捉えたり問い直したりする
※ 【英訳(仮訳)】小学校学習指導要領では,「各教科等の特質に応じた物事を捉える視点や考え方(以下「見方・考え方」という。)」を「discipline-based epistemological approaches, hereinafter referred to as “Approaches”」と訳す。見方・考え方を“Approaches”で代表している。このことを考え合わせると見方・考え方の意味がより一層捉えやすくなる。すなわち,見方・考え方は,物事を認識するときの入り方,近づき方,せまり方と言い換えることができる。
引用:文部科学省「平成29年改訂小学校学習指導要領英訳版(仮訳)」[ONLINE]https://www.mext.go.jp/content/20200227-mxt_kyoiku02-100002604_1.pdf(cf:2020.05.26)

言葉による見方・考え方を働かせるとは
中学校国語科「見方・考え方」

(3)学び方

【言語活動を通して】
また,言語能力を育成する中心的な役割を担う国語科においては,言語活動を通して資質・能力を育成する。
言語活動を通して,国語で正確に理解し適切に表現する資質・能力を育成するとしているのは,この考え方を示したものである。

※ 小学校国語科における言語活動例
「A 話すこと・聞くこと」第1・2学年 ア 紹介や説明,報告など伝えたいことを話したり,それらを聞いて声に出して確かめたり感想を述べたりする活動
「B 書くこと」第3・4学年 ア 調べたことをまとめて報告するなど,事実やそれを基に考えたことを書く活動
「C 読むこと」第5・6学年 ア 説明や解説などの文章を比較するなどして読み,分かったことや考えたことを,話し合ったり文章にまとめたりする活動

小学校,中学校国語科における言語活動例の系統
中学校国語科「学び方」

3 三つの柱

今回の改訂では,他教科等と同様に,国語科において育成を目指す資質・能力を「知識及び技能」,「思考力,判断力,表現力等」,「学びに向かう力,人間性等」の三つの柱で整理し,それぞれに整理された目標を⑴,⑵,⑶に位置付けている。
※ 本文中の⑴,⑵,⑶は,国語科の目標に示された資質・能力の三つの柱の連番であり,本稿の見出しの連番とは異なる。

(1)知識及び技能

(1)知識及び技能

日常生活に必要な国語について,その特質を理解し適切に使うことができるようにする。

⑴は,「知識及び技能」に関する目標を示したものである。
日常生活において必要な国語の特質について理解し,それを適切に使うことができるようにすることを示している。
具体的には,内容の〔知識及び技能〕に示されている
・ 言葉の特徴や使い方,
・ 話や文章に含まれている情報の扱い方,
・ 我が国の言語文化
に関する「知識及び技能」のことである。

こうした「知識及び技能」を,日常生活における様々な場面で,主体的に活用できる,生きて働く「知識及び技能」として習得することが重要となる。

中学校国語科「知識及び技能」

(2)思考力,判断力,表現力等

(2)思考力,判断力,表現力等

日常生活における人との関わりの中で伝え合う力を高め,思考力や想像力を養う。

⑵は,「思考力,判断力,表現力等」に関する目標を示したものである。
日常生活における人と人との関わりの中で,思いや考えを伝え合う力を高め,思考力や想像力を養うことを示している。
具体的には,内容の〔思考力,判断力,表現力等〕に示されている「A話すこと・聞くこと」,「B書くこと」,「C読むこと」に関する「思考力,判断力,表現力等」のことである。
伝え合う力を高めるとは,
人間と人間との関係の中で,互いの立場や考えを尊重し,言語を通して正確に理解したり適切に表現したりする力を高めることである。
思考力や想像力を養うとは,
言語を手掛かりとしながら論理的に思考する力や豊かに想像する力を養うことである。
思考力や想像力などは認識力や判断力などと密接に関わりながら,新たな発想や思考を創造する原動力となる。
こうした力を,未知の状況にも対応できる「思考力,判断力,表現力等」として育成することが重要となる。

中学校国語科「思考力,判断力,表現力等」

(3)学びに向かう力,人間性等

(3)学びに向かう力,人間性等

言葉がもつよさを認識するとともに,言語感覚を養い,国語の大切さを自覚し,国語を尊重してその能力の向上を図る態度を養う。

⑶は,「学びに向かう力,人間性等」に関する目標を示したものである。
言葉がもつよさを認識するとともに,言語感覚を養い,国語の大切さを自覚し,国語を尊重してその能力の向上を図る態度を養うことを示している。

① 言葉がもつよさ

言葉がもつよさには,
・ 言葉によって自分の考えを形成したり新しい考えを生み出したりすること,
・ 言葉から様々なことを感じたり,感じたことを言葉にしたりすることで心を豊かにすること,
・ 言葉を通じて人や社会と関わり自他の存在について理解を深めたりすること
などがある。
こうしたことをよさとして認識することを示している。

※ 小学校国語科「言葉がもつよさ」 → 中学校国語科「言葉がもつ価値」

② 言語感覚

言語感覚とは,
言語で理解したり表現したりする際の正誤・適否・美醜などについての感覚
のことである。
話したり聞いたり書いたり読んだりする具体的な言語活動の中で,
・ 相手,目的や意図,場面や状況などに応じて,どのような言葉を選んで表現するのが適切であるかを直観的に判断したり,
・ 話や文章を理解する場合に,そこで使われている言葉が醸し出す味わいを感覚的に捉えたり
することができることである。
言語に対する知的な認識を深めるだけでなく,言語感覚を養うことは,一人一人の児童の言語活動を充実させ,自分なりのものの見方や考え方を形成することに役立つ。

こうした言語感覚の育成には,多様な場面や状況における学習の積み重ねや,継続的な読書などが必要であり,そのためには,国語科の学習を他教科等の学習や学校の教育活動全体と関連させていくカリキュラム・マネジメント上の工夫も大切である。
さらに,児童を取り巻く言語環境を整備することも,言語感覚の育成に極めて重要である。

③ 国語の大切さを自覚し,国語を尊重してその能力の向上を図る態度を養う

国語の大切さを自覚し,国語を尊重してその能力の向上を図る態度を養うことを求めているのは,我が国の歴史の中で育まれてきた国語が,人間としての知的な活動や文化的な活動の中枢をなし,一人一人の自己形成,社会生活の向上,文化の創造と継承などに欠かせないからである。

国語の大切さを自覚し,国語に対する関心を高め,話したり聞いたり書いたり読んだりすることが,児童一人一人の言語能力を更に向上させていく。
その中で,国語を愛護し,国語を尊重して,国語そのものを一層優れたものに向上させていこうとする意識や態度も育っていくのである。

中学校国語科「学びに向かう力,人間性等」


出典:文部科学省「小学校学習指導要領解説国語編 第2章 国語科の目標及び内容 第1節 国語科の目標 1 教科の目標」平成29年6月[ONLINE]http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2017/10/13/1387017_2.pdf (cf:2018-03-10)を加工して作成
平成29年7月版[ONLINE]http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/09/03/1387017_2_1.pdf (cf:2018-12-11) 確認






資料

国語科において育成を目指す資質・能力の整理

知識・技能 思考力・判断力・表現力等  学びに向かう力・人間性等
○言葉の働きや役割に関する理解

○言葉の特徴やきまりに関する理解と使い分け
・書き言葉(文字),話し言葉,言葉の位相(方言,敬語等)
・語,語句,語彙
・文の成分,文の構成
・文章の構造(文と文の関係,段落,段落と文章の関係)
など

○言葉の使い方に関する理解と使い分け
・話し方,書き方,表現の工夫
・聞き方,読み方,音読・朗読の仕方
・話合いの仕方

○書写に関する知識・技能

○伝統的な言語文化に関する理解

○文章の種類に関する理解

○情報活用に関する知識・技能

国語で理解したり表現したりするための力
創造的・論理的思考の側面
➢情報を多面的・多角的に精査し構造化する力
・推論及び既有知識・経験による内容の補足,精緻化
・論理(情報と情報の関係性:共通-相違,原因-結果,具体-抽象等)の吟味・構築
・妥当性,信頼性等の吟味
➢構成・表現形式を評価する力【感性・情緒の側面
➢言葉によって感じたり想像したりする力,感情や想像を言葉にする力
➢構成・表現形式を評価する力【他者とのコミュニケーションの側面
➢言葉を通じて伝え合う力
・相手との関係や目的,場面,文脈,状況等の理解
・自分の意思や主張の伝達
・相手の心の想像,意図や感情の読み取り
➢構成・表現形式を評価する力
≪考えの形成・深化≫
➢考えを形成し深める力(個人または集団として)
・情報を編集・操作する力
・新しい情報を,既に持っている知識や経験,感情に統合し構造化する力
・新しい問いや仮説を立てるなど,既に持っている考えの構造を転換する力
・言葉が持つ曖昧性や,表現による受け取り方の違いを認識した上で,言葉が持つ力を信頼し,言葉によって困難を克服し,言葉を通して社会や文化を創造しようとする態度

・言葉を通じて,自分のものの見方や考え方を広げ深めようとするとともに,考えを伝え合うことで,集団としての考えを発展・深化させようとする態度

・様々な事象に触れたり体験したりして感じたことを言葉にすることで自覚するとともに,それらの言葉を互いに交流させることを通して,心を豊かにしようとする態度

・言葉を通じて積極的に人や社会と関わり,自己を表現し,他者の心と共感するなど互いの存在についての理解を深め,尊重しようとする態度

・我が国の言語文化を享受し,生活や社会の中で活用し,継承・発展させようとする態度

・自ら進んで読書をし,本の世界を想像したり味わったりするとともに,読書を通して様々な世界に触れ,これを擬似的に体験したり知識を獲得したり新しい考えに出会ったりするなどして,人生を豊かにしようとする態度

※ 出典:中央教育審議会「幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)別添資料(1/3)別添2-1 国語科において育成を目指す資質・能力の整理」平成28年12月21日[ONLINE]http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2017/01/10/1380902_3_1.pdf(参照2018/04/06)

小・中・高「国語科の目標」の比較から見る資質・能力の発展

小・中・高「国語科の目標」の比較から見る資質・能力の発展

小学校,中学校国語科における言語活動例の系統

言語活動について,学習指導要領では,「(1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。」として,児童の発達や学習の状況に応じて設定した言語活動を通して,(1)の〔思考力,判断力,表現力等〕に関わる指導事項を指導することとされています。

A 話すこと・聞くこと B 書くこと C 読むこと
小学校
第1学年
及び
第2学年
ア 紹介や説明,報告など伝えたいことを話したり,それらを聞いて声に出して確かめたり感想を述べたりする活動。 イ 尋ねたり応答したりするなどして,少人数で話し合う活動。 ア 身近なことや経験したことを報告したり,観察したことを記録したりするな ど,見聞きしたことを書く活動。 イ 日記や手紙を書くなど,思ったことや伝えたいことを書く活動。 ウ 簡単な物語をつくるなど,感じたことや想像したことを書く活動。 ア 事物の仕組みを説明した文章などを読み,分かったことや考えたことを述べる活動。 イ 読み聞かせを聞いたり物語などを読んだりして,内容や感想などを伝え合ったり,演じたりする活動。 ウ 学校図書館などを利用し,図鑑や科学的なことについて書いた本などを読み,分かったことなどを説明する活動。
小学校
第3学年
及び
第4学年
ア 説明や報告など調べたことを話したり,それらを聞いたりする活動。 イ 質問するなどして情報を集めたり,それらを発表したりする活動。 ウ 互いの考えを伝えるなどして,グループや学級全体で話し合う活動。 ア 調べたことをまとめて報告するなど,事実やそれを基に考えたことを書く活動。 イ 行事の案内やお礼の文章を書くなど,伝えたいことを手紙に書く活動。 ウ 詩や物語をつくるなど,感じたことや想像したことを書く活動。 ア 記録や報告などの文章を読み,文章の一部を引用して,分かったことや考えたことを説明したり,意見を述べたりする活動。 イ 詩や物語などを読み,内容を説明したり,考えたことなどを伝え合ったりする活動。 ウ 学校図書館などを利用し,事典や図鑑などから情報を得て,分かったことなどをまとめて説明する活動。
小学校
第5学年
及び
第6学年
ア 意見や提案など自分の考えを話したり,それらを聞いたりする活動。 イ インタビューなどをして必要な情報を集めたり,それらを発表したりする活動。 ウ それぞれの立場から考えを伝えるなどして話し合う活動。 ア 事象を説明したり意見を述べたりするなど,考えたことや伝えたいことを書く活動。 イ 短歌や俳句をつくるなど,感じたことや想像したことを書く活動。 ウ 事実や経験を基に,感じたり考えたりしたことや自分にとっての意味について文章に書く活動。 ア 説明や解説などの文章を比較するなどして読み,分かったことや考えたことを,話し合ったり文章にまとめたりする活動。 イ 詩や物語,伝記などを読み,内容を説明したり,自分の生き方などについて考えたことを伝え合ったりする活動。 ウ 学校図書館などを利用し,複数の本や新聞などを活用して,調べたり考えたりしたことを報告する活動。
中学校
第1学年
ア 紹介や報告など伝えたいことを話したり,それらを聞いて質問したり意見などを述べたりする活動。 イ 互いの考えを伝えるなどして,少人数で話し合う活動。 ア 本や資料から文章や図表などを引用して説明したり記録したりするなど,事実やそれを基に考えたことを書く活動。 イ 行事の案内や報告の文章を書くなど,伝えるべきことを整理して書く活動。 ウ 詩を創作したり随筆を書いたりするなど,感じたことや考えたことを書く活動。 ア 説明や記録などの文章を読み,理解したことや考えたことを報告したり文章にまとめたりする活動。 イ 小説や随筆などを読み,考えたことなどを記録したり伝え合ったりする活動。 ウ 学校図書館などを利用し,多様な情報を得て,考えたことなどを報告したり資料にまとめたりする活動。
中学校
第2学年
ア 説明や提案など伝えたいことを話したり,それらを聞いて質問や助言などをしたりする活動。 イ それぞれの立場から考えを伝えるなどして,議論や討論をする活動。 ア 多様な考えができる事柄について意見を述べるなど,自分の考えを書く活動。 イ 社会生活に必要な手紙や電子メールを書くなど,伝えたいことを相手や媒体を考慮して書く活動。 ウ 短歌や俳句,物語を創作するなど,感じたことや想像したことを書く活動。 ア 報告や解説などの文章を読み,理解したことや考えたことを説明したり文章にまとめたりする活動。 イ 詩歌や小説などを読み,引用して解説したり,考えたことなどを伝え合ったりする活動。 ウ 本や新聞,インターネットなどから集めた情報を活用し,出典を明らかにしながら,考えたことなどを説明したり提案したりする活動。
中学校
第3学年
ア 提案や主張など自分の考えを話したり,それらを聞いて質問したり評価などを述べたりする活動。  イ 互いの考えを生かしながら議論や討論をする活動。 ア 関心のある事柄について批評するなど,自分の考えを書く活動。 イ 情報を編集して文章にまとめるなど,伝えたいことを整理して書く活動。 ア 論説や報道などの文章を比較するなどして読み,理解したことや考えたことについて討論したり文章にまとめたりする活動。 イ 詩歌や小説などを読み,批評したり,考えたことなどを伝え合ったりする活動。 ウ 実用的な文章を読み,実生活への生かし方を考える活動。

※ 出典:文部科学省「小学校学習指導要領 第2章各教科 第1節国語」平成29年3月[ONLINE]http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/03/29/1384661_4_2.pdf(参照2018/04/10)
※ 出典:文部科学省「中学校学習指導要領 第2章各教科 第1節国語」平成29年3月[ONLINE]http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/03/29/1384661_5_2.pdf(参照2018/04/10)

言葉による見方・考え方を働かせるとは

「1 指導計画作成上の配慮事項」では,「言葉による見方・考え方を働かせる」ことについて,次のように解説しています。

国語科は,様々な事物,経験,思い,考え等をどのように言葉で理解し,どのように言葉で表現するか,という言葉を通じた理解や表現及びそこで用いられる言葉そのものを学習対象としている。
言葉による見方・考え方を働かせるとは,
児童が学習の中で,対象と言葉,言葉と言葉との関係を,言葉の意味,働き,使い方等に着目して捉えたり問い直したりして,言葉への自覚を高めることであると考えられる。
この「対象と言葉,言葉と言葉との関係を,言葉の意味,働き,使い方等に着目して捉えたり問い直したりする」とは,
言葉で表される話や文章を
・ 意味や働き,使い方などの言葉の様々な側面から総合的に思考・判断し,理解したり表現したりすること
・ また,その理解や表現について,改めて言葉に着目して吟味すること
を示したものと言える。

※ 文部科学省「小学校学習指導要領解説国語編 第4章 指導計画の作成と内容の取扱い 1 指導計画作成上の配慮事項 ○主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に関する配慮事項」平成29年6月[ONLINE]http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2017/10/13/1387017_2.pdf(参照2018/04/11)