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「未来の学びコンソーシアム」とは,どのような組織なのでしょうか。
「未来の学びコンソーシアム」は,プログラミング教育を推進する官民一体の組織です。

学校を支援し「社会に開かれた教育課程」の実現を目指します。とりわけ,小学校における各教科等の特質に応じたプログラミング的思考を育む学習活動の実施を支援します。
そのために,教材開発,実証事業,研修支援,ICT環境整備等に取り組みます。
子どもたちの未来を拓くため,学校,家庭,地域のそれぞれの立場で積極的な取組が必要です。

本稿では,「未来の学びコンソーシアム」設立の目的や取組について考えます。

1 「未来の学びコンソーシアム」設立

平成29年3月10日,プログラミング教育を推進する「未来の学びコンソーシアム」が設立され,4月25日規約が公開されました。※ (平成29年12月26日一部改訂)

「未来の学びコンソーシアム」は,文部科学省,総務省,経済産業省が,教育関係者,産業界と連携し,学校でのプログラミング教育の普及促進に向けた取組を展開するために設立されたものです。

教育界のニーズと産業界のニーズの出会いを提供し,プログラミング教育を推進するためのプラットフォームを構築,学校現場のニーズに応じた教材開発や学校支援を実現することを目的としています。

ホームページ(https://miraino-manabi.jp/)も公開され,情報発信がなされています。

昨日公開された「未来の学びコンソーシアム規約」で,目的を次のように述べています。

2 官民一体で学校を支援し「社会に開かれた教育課程」を実現

「未来の学びコンソーシアム規約」(目 的)

第2条 コンソーシアムは,文部科学省,総務省,経済産業省と学校関係者,自治体関係者,産業界等が一体となり,多様かつ教育現場のニーズに応じたデジタル教材の開発や外部講師派遣など,学校における指導の際のサポート体制を地域や家庭とも連携しつつ構築し,子供たちが未来の創り手となるために必要な資質・能力を育む「社会に開かれた教育課程」の実現に貢献することを目的とする。とりわけ,小学校における各教科等の特質に応じたプログラミング的思考を育む学習活動の実施にあたっては,都市部だけでなく全国で偏りなく実施されるよう,学校を支援する体制を整備する。

未来の学びコンソーシアムは,官民一体となって,学校教育を支援し「社会に開かれた教育課程」の実現を目指す組織です。

規約第2条目的では「プログラミング的思考を育む学習活動」としており,「プログラミング教育」と言う言葉が目的の文中に使われていません。

その言葉の印象から来るコーディングを覚えるという誤解を払拭し,プログラミング教育が,考え方や態度を育成する教育であることを改めて示したと考えられます。

3 教材開発,実証事業,研修支援,ICT環境整備等の取組

上記目的のため,次のような事業に取り組むことが述べられています。

(1)子供たちが未来の創り手となるために必要な資質・能力を育む教材の開発・普及支援

(2)教材等に係わる実証事業及びワークショップ等の開催及び支援

(3)教員の研修支援及び人材派遣等の支援体制の確立に係る事業

(4)学校内外において子供たちが日常的にICTを活用できる環境整備の支援

(5)その他コンソーシアムの目的を達成するために必要な事業

4 学校,家庭,地域のそれぞれの立場で積極的な取組が必要

子どもの教育を担う文部科学省,日本の将来・未来を設計する総務省,日本の経済や産業をリードする経済産業省,そして,日本のみならず世界で活躍する産業界が,一堂に会して社会に開かれた教育課程の実現,プログラミング教育を推進する組織が立ち上がりました。

プログラミング教育への期待の大きさがうかがえます。そして期待する裾野は国全体に広がっています。

各省庁や産業界が一体となって取り組む姿には,「待ったなし」の切迫感が感じられます。

この取組が一層の成果を上げ,子どもたちの未来を拓くよう,平成32年(2020年)に向けて,学校として,また,家庭として,地域としてそれぞれの立場で積極的にできることに取り組んでいく必要があります。

5 活動内容

平成30年3月8日に行われた第二回運営協議会の資料「「未来の学びコンソーシアム」の活動内容について」※によれば,平成29・30年度は,次のような活動に取り組みます。

(1)平成29年度

① 概念整理

プログラミング教育を展開していく上で,学校現場や教育委員会が混乱しないよう,学習指導要領の記述等を踏まえつつ,概念を整理した上で,関係者間で広く共有する。

概念整理に当たっては,推進チームのチーム員の知見が活用されるよう,文部科学省情報教育課・教育課程課と推進チームが緊密に連携する。

小学校段階のプログラミングに関する学習活動の分類(例) 文部科学省情報教育課作成

○プログラミング教育は,学習指導要領に例示されている単元等に限定することなく,多様な教科・学年・単元等において実施されることが望まれる。その際,学校現場や教育委員会が混乱することなくプログラミング教育を展開していけるよう,プログラミングに関する学習活動を次のとおり分類・整理。

○文部科学省やコンソーシアムにおける今後の指導事例等の情報発信においては,この分類を踏まえて行う方向で進めていく。

教育課程内のプログラミング教育

A:学習指導要領で例示されている単元等で実施するもの

(算数:[第5学年]B図形(1)正多角形,理科:[第6学年]A物質・エネルギー(4)電気の利用,総合的な学習の時間:情報に関する探求的な学習)

B:学習指導要領に例示されてはいないが,学習指導要領に示される 各教科等の内容を指導する中で実施するもの

C:各学校の裁量により実施するもの(A,B,D以外で,教育課程内で実施するもの)

D:クラブ活動など,特定の児童を対象として実施するもの

教育課程外のプログラミング教育

E:学校を会場として実施するもの

F:学校以外を会場として実施するもの

② 情報の収集

○ 国からの戦略的・戦術的な情報発信の基盤整備等を行うべく,「未来の学びコンソーシアム」プロジェクト推進チーム(以下,推進チーム)において,発足以降,学校や教育委員会を中心としたヒヤリングを精力的に実施する。

とりわけ教育課程におけるプログラミング教育に係る活動を中心に,情報収集や意見交換を実施する。

○ また,文部科学省の「次世代の教育情報化推進事業」による調査研究を通じて,全国の学校現場や民間事業者で行われている様々な事例や,プログラミング教育を支える活動(学校現場への教材提供や人的支援等)を行っている民間事業者等についての情報の収集・整理(全国の教育委員会,民間事業者・団体等に対する書面調査や訪問調査)を実施する。

(2)平成30年度

① 情報の発信(総務省事業:ポータルサイト)

○ 総務省事業による平成30年度のポータルサイトについて,各種事例や教材,研修等に係る質の高い情報が掲載され,また,学校や教育委員会,民間事業者等にとって利用しやすいものとなるよう,総務省と推進チームが緊密に連携・協力する。

② 教材や研修等の質向上に向けた全国規模での体制構築

○ 上記平成29年度の情報収集により得られた情報をもとに,全国各地の地域性等を勘案しながら,推進チームと民間事業者(地域企業を含む)・団体が協働する形で,質の高い教材開発や研修の不断の質向上を可能とするべく,推進チームを中心とした全国 規模での体制を構築する。

※第二回運営協議会資料「「未来の学びコンソーシアム」の活動内容について」未来の学びコンソーシアム[ONLINE]https://miraino-manabi.jp/assets/pdf/180308_2.pdf(参照2018-4-25)


1 プログラミング教育を推進する官民一体の「未来の学びコンソーシアム」が設立されました

2 「未来の学びコンソーシアム」は,学校を支援し「社会に開かれた教育課程」の実現を目指します

3 そのために,教材開発,実証事業,研修支援,ICT環境整備等に取り組みます

4 子どもたちの未来を拓くため,学校,家庭,地域のそれぞれの立場で積極的な取組が必要です

未来の学びコンソーシアム:https://miraino-manabi.jp/

未来の学びコンソーシアム「未来の学びコンソーシアム規約」平成29年4月17日(平成29年12月26日改訂) [ONLINE]https://miraino-manabi.jp/cm/content/140(参照2018-4-25)