1 掲載の趣旨(要点)

平成29年告示の学習指導要領では,資質・能力や内容などの全体像を分かりやすく見渡せるよう,枠組みが大きく見直され「学びの地図」として整理されました。

その趣旨に添い,小・中学校「教科等の目標解説を読む」シリーズでは,解説本文を次のように編集しています。

  • 目標解説の内容が捉えやすいように原文を装飾
  • 他教科等・他学校種の目標や解説が比較しやすように編集

具体的には,本文は原文通りで,次のように編集しています。

  • 各教科等の目標の解説を共通した章立てで構成
  • 学校種間の対応する内容についてリンクで移動 など

なお,本稿は,「文部科学省ウェブサイト利用規約」(2018年3月1日に利用)に基づいて,原本を加工し作成しています。

2 「学びの地図」としての学習指導要領等

中央教育審議会答申においては,“よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創る”という目標を学校と社会が共有し,連携・協働しながら,新しい時代に求められる資質・能力を子供たちに育む「社会に開かれた教育課程」の実現を目指し,学習指導要領等が,学校,家庭,地域の関係者が幅広く共有し活用できる「学びの地図」としての役割を果たすことができるよう答申されました。

具体的には,次の6点にわたってその枠組みを改善するとともに,各学校において教育課程を軸に学校教育の改善・充実の好循環を生み出す「カリキュラム・マネジメントの実現を目指すことなどが求められました。

① 「何ができるようになるか」(育成を目指す資質・能力)
② 「何を学ぶか」(教科等を学ぶ意義と,教科等間・学校段階間のつながりを踏まえた教育課程の編成)
③ 「どのように学ぶか」(各教科等の指導計画の作成と実施,学習・指導の改善・充実)
④ 「子供一人一人の発達をどのように支援するか」(子供の発達を踏まえた指導)
⑤ 「何が身に付いたか」(学習評価の充実)
⑥ 「実施するために何が必要か」(学習指導要領等の理念を実現するために必要な方策)

答申を受け,多くの人々が学習指導要領の趣旨や内容を共有し,適切なマネジメントを繰り返すことが必要です。

3 「解説」表記の課題

中央教育審議会答申を受け,文部科学省より新しい学習指導要領等が公示(平成29年3月)され,続いて同解説等が刊行されました。

新しい学習指導要領は,枠組みが整理され,目標や内容が見渡しやすくなりました。

しかしながら,「解説」の具体レベルではやや統一性に欠ける部分があり,解説内容や教科等の特質,共通性,系統性など関連・関係を縦横に読み解くには読みづらさがあります。

例えば,

  • 「教科の目標」の項に,「(1) 目標の設定について」を特設して記述するなど,教科等の特質や記述の必要性から,固有の章立てや内容がある
  • 各教科等の解説の内容には,内容によって取り扱いの軽重や情報量に教科間や学校種間で違いがある
  • 「第2章 ○○科の目標及び内容」では,「節」「項」の章立てが階層や見出しの有無など違いが見受けられ,「教科の目標」部分については,段落はあるものの章立てのない場合もある

学習指導要領は,教師が授業をする上での指針であり,教材研究の中心となるものです。
学びの地図のねらいをより推進するには,まずは授業の担当者である教師が全体像を効率的につかめるようにすることが重要です。

そのためには,例えば,小学校教師が全教科等の解説を横に並べて読んでも,より読みやすく捉えやすいなど,より一層の読みやすさの工夫が必要と考えます。

4 表記の工夫

そこで,学びの地図化に資するため,小・中学校「教科等の目標解説を読む」シリーズでは,「各教科等の目標」について,下位の章立てを可能な限り共通化させたり,罫線や箇条書きを取り入れたりなどして,教科の目標を捉えやすいよう工夫します。

各教科等にはそれぞれに特質等があり,すべての解説内容を共通化することは困難です。そのため,可能な限り内容の捉えやすさを優先して,表記を工夫することとします。

(1) 基本方針

  • 目標の意味を捉えやすくし,他教科等間や他学校種間の目標との関係を容易につかめるようにする
  • 本文は,原文通りとし,文章自体に加筆をしない

(2) 基本とする共通の章立て

各教科等「学習指導要領解説」における目標の解説原文では,下記の内容を基本に構成されています。
そこで,小・中学校「教科等の目標解説を読む」シリーズの稿では,章立ての小見出しを次の通り明示して記述します。

1 教科の目標

(1) 目標
(2) 目標の構成

2 柱書

(1) 見方・考え方
(2) 学び方
(3) 資質・能力

3 三つの柱

(1) 知識及び技能
(2) 思考力,判断力,表現力等,
(3) 学びに向かう力,人間性等

なお,目標「見方・考え方を働かせ,……活動を通して」では,「見方・考え方」と「学び方(活動)」に相互に関連をもたせ,全体として育成することが学習指導要領のねらいです。

加えて,「見方・考え方」と「学び方(活動)」とには関連があるため,明確に分けられない場合があります。

そこで,本稿では,各教科等の特質ある「見方・考え方」の育成や主体的・対話的で深い学びの「学び方」を実現する重要性から,

学習指導要領の「学び方」に関わる解説の内容は,「見方・考え方を働かせながら」が前提であるとして(学習)活動部分の解説であれば「学び方」とします。この考え方のもとに,「見方・考え方」と「学び方」とを分けて章立てします。

(3) 対応する内容のリンク

学習指導要領の目標を教科間で,また,学校種間で容易に比較できるようにします。そのことを通して,教科等の特質を明確にしたり共通性や系統性等を捉えたりすることが容易にできることを目指します。

  • 「目標」「学び方」「見方・考え方」など,対応する項目や内容をリンクさせる
  • 比較の参考となる資料を添付する。

(4) その他の工夫

  1. 長い段落は,下位の内容ごとに段落を分ける
  2. 段落等の内容ごとに,小見出しを設けたり,要点のキーワードを太字にしたりする
  3. 重要な用語・文などには,色付き文字,強調を使う (※色:重要度が高い方から赤,青,緑)
  4. 用語の解説は,罫線囲いしたり見出し語を強調したりする
  5. 並列の事項は,箇条書きする など



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