「数がわかる」とは 数と数字と数詞の違い
数が分かる」とは、どういうことなのでしょうか。
数が分かるとは、数の概念が理解できることです。

数字がかけたり数詞が言えたりしても、数を理解しているとは言えません。

  • 数字は、数を表現するための記号です。アラビア数字やローマ数字などがあります。
  • 数詞は、数の読み方です。フランス語では「アン、ドゥ、トロワ」、ドイツ語では「アインス、ツヴァイ、ドライ」、日本語では「いち、に、さん」など、国によって違います。

では、数とは何でしょうか。数は、目に見えず、物を見せてこれですと、示すことができません。

ものの集合に一対一の対応を付けて、抽象したものが、数の概念につながります。

それに名前を付け数字と数詞を約束します。

学校の指導の中心が、この数の概念の指導であり、それを理解できるようにすることが、算数の授業のねらいの一つです。






1 数が分かるとはどういうことか

小学校第1学年で、「1、2、3」という数を学びます。

入学する前から「1、2、3」と言えたり、かけたりする子どももいます。

さて、本当に「数が分かった」といえるのは、どのようなときなのでしょうか。

指を1本、2本、3本と立てて、それに対して「1、2、3」と言えることも必要です。

あるいは「1、2、3」と数字がかけることも必要です。

しかし、数が分かったと言うためには、数の概念が理解できていることが必要なのです。

数の理解をテーマとするとき、数と数字と数字の違いを確かめておく必要があります。

2 数字とは何か

(1)数字の種類

まず、数字について考えます。

数字は、数を表現するための文字あるいは記号です。

数字には以下のようなものがあります。

  • インド数字
  • アラビア数字
  • ローマ数字
  • 漢数字
  • アルメニア数字
  • ギリシャの数字
  • ヘブライ数字
  • タイの数字

などです。

どのような記号が使われているかなど詳しくは、ウィキペディアの「数字」の項目に書かれているので参考にされてください。

ウィキペディア「数字」https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%B0%E5%AD%97

ここでは、見かけることのあるローマ数字と、日常的に使う漢数字、アラビア数字を取り上げます。

(2)ローマ数字の記号と表記法

ローマ数字は、時計の文字盤に使われることがあります。

また、クインエリザベスⅡ世号などと固有名詞や伝統的なものを呼ぶときなどに使う数字です。

ローマ数字は、I、V、X、L、C、D、Mの7文字で数を表します。

それぞれ、1,5、10、50、100、500、1000の数を表します。

ローマ数字は表記法が工夫されています。

基本的には、文字を増やして表します。

1はI(Iが1つ)、2はⅡ(Iが2つ)、3はⅢ(Iが3つ)です。

10はX、20はXX、30はXXXです。

100はC、200はCC、300はCCC、

1000はMが1つ、2000はMM(Mが2つ)と言う具合です。

例えば、MMCXIIと表記すれば、2,112を表します。

ただし、同じ文字を4つ以上並べられないとしているため、4を表すのに、IIIIとはしません。

4は、IVと表記します。時計の文字盤については慣習上例外的にIIIIを使うようです。

小さい数字が前にある場合は、引き算をします。

V(5)-I(1)=IV(4)

40であれば、XLと表します。

L(50)-X(10)=XL(40)

90であれば、XCと表します。

C(100)-X(10)=XC(90)

900であれば、CMと表します。

M(1000)-C(100)=CM(900)

ローマ数字は、このような表記方法を用いて数を表しています。

ちなみに、ローマ数字には「0」はありません。

(3)漢数字の文字と表記法

漢数字についてですが、これは日常的に使っている数字なので十分ご承知かと思います。

1から9までの数について、一、二、三、四、五、六、七、八、九の漢字が割り当てられています。

零もありますが、漢数字による表記では、通常必要としません。

そして、位を表す漢字として、十、百、千、万、億、兆などがあります。

この位の文字については、江戸時代の吉田光由(1598-1673)が著した塵劫記(1627年初版)に詳しく記されています。

漢数字では、これらの1から9の数を表す漢字と位を表す数字を組み合わせて数を表しています。

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吉田光由 編「新編塵劫記上巻 第一大数の名の事」出版者古典数学書院昭和10写本国立国会図書館インターネット公開(保護期間満了)[ONLINE]http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1129154/6(2017/6/1)

(4)アラビア数字の記号と表記法

アラビア数字は、算用数字と呼ばれ、現在算数や数学で使っている数字です。

アラビア数字は、インド数字に起源がある10進位取り記数法で表す数字です。

0から9までの10種類の数字を使います。

このように数字は、数を表す記号や文字です。

数そのものを表しているものではありません。

このことから、理解できた数を表すためには、数を表す記号や文字がかけたり読めたりすることが必要となります。

3 数詞とは何か

次に、数詞を考えます。

数詞とは、数を表す言葉、数の読み方です。

言葉ですから、国によって違います。

数字で、1、2、3、4、5とかくと、読み方は国によって違います。

フランス語では、

1 un,une アン、ユヌ 、2 due(X) ドゥ、3 trois トロワ 、4 quatre キャトル、5 cinq サンク

ドイツ語では、

1 eins アインス、2 zwei ツヴァイ、3 drei ドライ 、4 vier フィーア、5 fünf フュンフ

英語では、

1 oneワン、2 two トゥー 、3 three スリー 、4 four フォー 、5 five ファイブ

中国語では、

1一イー、2二アァ、3三サン、4四スゥ、5五ウゥ

となります。

日本語では、「いち」「に」「さん」「し」「ご」です。

数と数字と数詞を簡単にまとめると、

数字は、数を表す記号、

数詞は、その数を読む読み方

ということができます。

4 数とは何か

では、数とは何でしょうか。

数は、目に見えず、物を見せてこれですと、示すことができません。

111、

222、

333、

車、車、車、

ケーキ、ケーキ、ケーキ、

これらに共通するものは何でしょうか。

それぞれに一対一の対応を付けて、抽象したものが、数の3の概念です。

それに3と言う名前を付けます。

そして、「3」とかき「さん」とよみます。

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実際の指導では、ものとものとを対応させることによって,ものの個数を比べるなどの活動から始めます。

やがて,その個数を正しく数えたり,数えたものの個数を数字で表したりすることができるようにします。

また,こうした活動を通して,数の大小や順序を知り,次第に数の意味,100までの数の構成について理解できるようにすることが第1学年のねらいの一つです。

自然数、整数、素数、有理数、無理数は、数の概念です。

小数と分数は、有理数を表すのに使われる表現形式です。

このように、学校の指導の中心が、この数の概念の指導です。

見えない数を、一人一人の子どもが具体的事象の中から自分で抽象して理解していくものです。

それを理解できるようにすることが、算数の授業のねらいの一つです。






数が分かるとは、数の概念が理解できることです。

数字がかけたり数詞が言えたりしても、数を理解しているとは言えません。

数字は、数を表現するための記号です。アラビア数字やローマ数字などがあります。

数詞とは、数の読み方です。フランス語では「アン、ドゥ、トロワ」、ドイツ語では「アインス、ツヴァイ、ドライ」、日本語では「いち、に、さん」など、国によって違います。

では、数とは何でしょうか。数は、目に見えず、物を見せてこれですと、示すことができません。

ものの集合に一対一の対応を付けて、抽象したものが、数の概念につながります。

それに名前を付け数字と数詞を約束します。

学校の指導の中心が、この数の概念の指導であり、それを理解できるようにすることが、算数の授業のねらいの一つです。

参考文献
文部科学省小学校学習指導要領解説算数(1)第1章~第2章(平成20年6月)[ONLINE]http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2009/06/16/1234931_004_1.pdf(参照2017/05/16)
文部科学省小学校学習指導要領解説算数(2)第3章~第4章(平成20年6月)[ONLINE]http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2009/06/16/1234931_004_2.pdf(参照2017/05/16)