- 平成29年告示の中学校学習指導要領国語科の目標は,どのようなものでしょうか。
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※ 次期学習指導要領を見通した指導に資するため、「次期学習指導要領【国語科】における改訂の方向性と改善のポイント(2026-0522:追記)」の章を追加しています。ご参照ください。
中学校国語科では,「言葉による見方・考え方を働かせ,言語活動を通して,国語で正確に理解し適切に表現する資質・能力」の育成を目指します。
国語科の資質・能力は,
・ 国語で表現された内容や事柄を正確に理解する資質・能力
・ 国語を使って内容や事柄を適切に表現する資質・能力
そのために必要となる
・ 国語の使い方を正確に理解する資質・能力
・ 国語を適切に使う資質・能力
を含んだものです。
中学校では,社会生活での言語感覚の豊かさや我が国の言語文化との関わりを求めています。
言葉による見方・考え方を働かせるとは,
生徒が学習の中で,対象と言葉,言葉と言葉との関係を,言葉の意味,働き,使い方等に着目して捉えたり問い直したりして,言葉への自覚を高めることです。
掲載の趣旨
平成29年告示の学習指導要領では,資質・能力や内容などの全体像を分かりやすく見渡せるよう,枠組みが大きく見直され「学びの地図」として整理されました。
その趣旨に添い,本稿では,解説本文を次のように編集しています。
・ 目標解説の内容が捉えやすいように原文を装飾
・ 他教科等・他学校種の目標や解説が比較しやすように編集
具体的には,本文は原文通りで,次のように編集しています。
・ 各教科等の目標の解説を共通した章立てで構成
・ 学校種間の対応する内容についてリンクで移動 など
掲載の趣旨の詳細は,下のボタンより参照できます。
なお,本稿は,「文部科学省ウェブサイト利用規約」(2018年3月1日に利用)に基づいて,原本を加工し作成しています。
小学校・中学校各教科等の目標の解説 「小・中学校「教科等の目標解説を縦横に読む」シリーズ」は,下のボタンより閲覧できます。
次期学習指導要領【国語科】における改訂の方向性と改善のポイント (2026-0522:追記)
1. 次期学習指導要領【国語科】の方向性
次期学習指導要領における国語科の改訂は、生成AIの急速な普及やSNSによるコミュニケーションの変容といった激しい時代背景を受け、「人間ならではの感性」や「実社会における論理的思考・対話表現力」の確実な育成を目指す方向性が示されています。2026年1月に中央教育審議会(中教審)が取りまとめた「論点整理」を基軸に、現在は教育課程部会の国語ワーキンググループ(WG)を中心に、具体的な指導内容の検討が展開されています。現行課程の成果を継承しつつ、指導目標や資質・能力をより「分かりやすく、使いやすい」形で構造化(表形式化等)し、学校現場での「個別最適な学びと協働的な学び」の一体的な充実を図ることが、本改訂の大きな柱となっています。
2. 改善のポイント
① 高等学校における選択科目の再編(2段階・計6科目への見直し)【方針案】
- 最新の動向: 2026年5月11日、文部科学省は中教審の作業部会において、2032年度からの全面実施を見据えた高校国語の抜本的な科目再編案を明らかにしました。現行の「論理国語」「文学国語」「国語表現」「古典探究」の4科目を解体・発展させ、選択科目を「標準科目(2科目)」と「発展科目(4科目)」の2段階(計6科目)に再整理する方針です。
- 背景と根拠: 文科省の2025年度推計によると、大学入試への対応から「論理国語」や「古典探究」の履修率が70%を超える一方、「文学国語」は約49%、「国語表現」は16%にとどまっています。理系生徒を中心とした「文学離れ」や表現機会の不足、およびAI時代に必要とされる「リアルな対話力」「感性」の育成不足が課題視されたことが、異例の短期再編へとつながっています。
② 「標準科目」の新設による論理と文学の融和と共通履修化【方針案】
- 最新の動向: 主に高2以降で履修する「標準科目」として、「現代の国語Ⅱ」および「言語文化Ⅱ」の2科目を新設する方針が示されました。
- 背景と内容: 現行課程で「論理」と「文学」を科目間で明確に区分した結果、現場から「多様な文章に触れる機会が損なわれた」との指摘が相次いでいました。新たな「現代の国語Ⅱ」には論理国語と国語表現の要素を盛り込みつつ、論理的思考に資するものであれば小説等の文学的教材の掲載も一律には排除しない方針が示されています。また、「言語文化Ⅱ」には文学国語と古典探究を組み合わせます。これらを文理の枠を超えて多くの生徒が履修する共通の標準科目として位置付けることで、バランスの取れた言語能力の育成を図ります。
③ 専門性を深める「発展科目」4科目の具体的提示【方針案】
- 最新の動向: 標準科目の上に、特定の分野に焦点を絞って深く学ぶ科目として、以下の4つの「発展科目」を設定する具体的な枠組みが提示されました。
- 「論説と批評」: 批判的・論理的思考力をさらに高める。
- 「対話と表現」: 実社会のコミュニケーションや言語表現を深める。
- 「文学と叙述」: 文学作品を通じた世界観の理解や感性を磨く。
- 「古典と文化」: 我が国の言語文化への理解や継承を図る。
- 背景と内容: 主に高1が学ぶ共通必履修科目(「現代の国語Ⅰ」「言語文化Ⅰ」)の枠組みは維持しつつ、選択科目を「誰もが学ぶ標準」と「興味・進路に応じて深める発展」に切り分けることで、現行課程の課題をクリアにする狙いがあります。
④ 「話や文章の機能」に応じた指導内容の構造化【現在議論中】
- 最新の動向: 2026年4月に開催された中教審国語WG(第7回)等では、小・中・高等学校を通じて育成すべき国語科の資質・能力を、「話や文章の機能」に基づいて再整理するアプローチが具体的に検討されています。
- 背景と内容: 指導要領の記述を現場にとって「分かりやすく、使いやすい」ものにするため、従来の複雑な体系をデジタル化・表形式化にも対応した分かりやすい目標へと構造化します。教員が「どの段階で、どのような言語機能(伝える、記録する、思考を深める等)を育成し、どう見取るべきか」を直感的に把握できるようにするための見直しが進められています。
⑤ 主体的に学習に取り組む態度の評価およびデジタル教科書への対応【現在議論中】
- 最新の動向: 1人1台端末の日常化やデジタル教科書の本格導入を見据え、国語科における言語活動(書く、話し合う等のプロセス)を適正に「学習評価」に反映するガイドラインの検討が進んでいます。
- 背景と内容: 3観点評価の枠組み(「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」)は維持しつつも、現場の負担軽減と「個別最適な学び」の実現に向け、学習履歴(スタディ・ログ)や推敲のプロセスをどう見取るかが焦点です。単なる結果の成否だけでなく、児童生徒が自らの言葉を自律的に見直す力を適切に評価するための基準の具体化が、現在進行形で議論されています。
3. 今後の改訂スケジュール
文部科学省が示しているロードマップに基づくと、次期学習指導要領の改訂に向けた今後の流れは以下の通りです。
- 2026年度(令和8年度)中・末: 中央教育審議会による正式答申
- 2027年度(令和9年度): 新学習指導要領の告示
- 移行期間を経て、2030年度(小学校)、2031年度(中学校)、2032年度(高等学校)より、それぞれ順次全面実施の方針(案)となっています。
(※本稿は2026年5月22日時点の、文科省5月11日発表資料および中教審国語WGの審議内容を反映した最新・正確な情報に基づいています。)
★ 以下の内容の記事を下記のリンク先に掲載しています。ご参照ください。
| Q | 次期学習指導要領において、国語科教育は、どのように改善されるのでしょうか。 |
| A | 次期学習指導要領における国語科教育は、児童生徒が言葉を使いこなす「自立的な学習者」を育てるため、実社会・実生活の文脈を意識した「話や文章の機能(仮称)」に基づく指導への再編が進められます。 1. 「話や文章の機能(仮称)」による指導事項の構造化: 従来の「話す・聞く」「書く」「読む」の3領域を、「言葉を使う目的」に即した機能ごとに整理し直します。 2. 「高次の資質・能力」の明確化: 「知識及び技能」と「思考力・判断力・表現力等」の深まりを一体的に示し、深い学びを具現化します。 3. 小・中学校での言語能力の確実な育成: 語彙の確実な定着と、文章を構造的・論理的に捉えて表現する力の系統的発展を重視します。 4. 高等学校国語の科目再編による調和: 現行の「現代の国語」等で生じた論理・文学の乖離を解消するため、標準科目「現代の国語Ⅱ」「言語文化Ⅱ」の新設など、全6科目への大幅な再編が行われます。 |
中学校 国語科の目標
2 教科の目標
教科の目標は,次のとおりである。
言葉による見方・考え方を働かせ,言語活動を通して,国語で正確に理解し適切に表現する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 社会生活に必要な国語について,その特質を理解し適切に使うことができるようにする。
(2) 社会生活における人との関わりの中で伝え合う力を高め,思考力や想像力を養う。
(3) 言葉がもつ価値を認識するとともに,言語感覚を豊かにし,我が国の言語文化に関わり,国語を尊重してその能力の向上を図る態度を養う。
※ 小学校の目標との違い「社会生活」→「日常生活」,「価値」→「よさ」,「豊かにし」→「養い」,「我が国の言語文化に関わり」→「国語の大切さを自覚し」
※ 平成10・20年中学校学習指導要領「国語」目標
「国語を適切に表現し正確に理解する能力を育成し,伝え合う力を高めるとともに,思考力や想像力を養い言語感覚を豊かにし,国語に対する認識を深め国語を尊重する態度を育てる。」
※ 平成元年中学校学習指導要領「国語」目標
「国語を正確に理解し適切に表現する能力を高めるとともに,思考力や想像力を養い言語感覚を豊かにし,国語に対する認識を深め国語を尊重する態度を育てる。」
3 柱書
教科の目標では,まず,
国語科において育成を目指す資質・能力を国語で正確に理解し適切に表現する資質・能力とし,国語科が国語で理解し表現する言語能力を育成する教科
であることを示している。
言語は,言語形式とそれによって表される言語内容とを併せもっている。
平成20 年告示の学習指導要領においては,
・ 「国語を適切に使う能力と国語を使って内容や事柄を適切に表現する能力」,
・ 「国語の使い方を正確に理解する能力と国語で表現された内容や事柄を正確に理解する能力」
の両方の内容を含んだものとして,「国語を適切に表現し正確に理解する能力」を示していたところである。
※ 言語 = 言語形式 + 言語内容 ゆえに 能力も両面有り
(1)資質・能力
【国語で正確に理解し適切に表現する資質・能力】
今回の改訂において示す国語で正確に理解し適切に表現する資質・能力とは,
・ 国語で表現された内容や事柄を正確に理解する資質・能力,
・ 国語を使って内容や事柄を適切に表現する資質・能力
であるが,そのために必要となる
・ 国語の使い方を正確に理解する資質・能力,
・ 国語を適切に使う資質・能力
を含んだものである。
正確に理解する資質・能力と,適切に表現する資質・能力とは,連続的かつ同時的に機能するものであるが,
表現する内容となる自分の考えなどを形成するためには国語で表現された様々な事物,経験,思い,考え等を理解することが必要であることから,
今回の改訂では,「正確に理解」,「適切に表現」という順に示している。
※ 国語による表現内容の理解 → 考えの形成 → 考えの表現 ゆえに,①理解,②表現
(2)見方・考え方
【言葉による見方・考え方を働かせる】
言葉による見方・考え方を働かせるとは,
生徒が学習の中で,
・ 対象と言葉,
・ 言葉と言葉との関係を,
言葉の意味,働き,使い方等に着目して
捉えたり問い直したりして,言葉への自覚を高めることである
と考えられる。
様々な事象の内容を自然科学や社会科学等の視点から理解することを直接の学習目的としない国語科においては,言葉を通じた理解や表現及びそこで用いられる言葉そのものを学習対象としている。
このため,「言葉による見方・考え方」を働かせることが,国語科において育成を目指す資質・能力をよりよく身に付けることにつながることとなる。
※ 言葉による見方及び考え方の具体については,実際の具体の指導内容に基づいた教材研究を要する。
以下筆者拙考
言葉による見方・考え方を働かせる対象:対象と言葉との関係,言葉と言葉との関係
言葉による見方(考える視点):言葉の意味,働き,使い方等
言葉による考え方:(言葉の正誤・適否・美醜等を)捉えたり問い直したりする
※ 【英訳(仮訳)】中学校学習指導要領では,「各教科等の特質に応じた物事を捉える視点や考え方(以下「見方・考え方」という。)」を「discipline-based epistemological approaches, hereinafter referred to as “Approaches”」と訳す。見方・考え方を“Approaches”で代表している。このことを考え合わせると見方・考え方の意味がより一層捉えやすくなる。すなわち,見方・考え方は,物事を認識するときの入り方,近づき方,せまり方と言い換えることができる。
引用:文部科学省「平成29年改訂中学校学習指導要領英訳版(仮訳)」[ONLINE]https://www.mext.go.jp/content/20200227-mxt_kyoiku02-100002604_2.pdf(cf:2020.05.26)
(3)学び方
【言語活動を通して】
また,言語能力を育成する中心的な役割を担う国語科においては,言語活動を通して資質・能力を育成する。
言語活動を通して,国語で正確に理解し適切に表現する資質・能力を育成するとしているのは,この考え方を示したものである。
※ 中学校国語科における言語活動例
「A 話すこと・聞くこと」第1学年 ア 紹介や報告など伝えたいことを話したり,それらを聞いて質問したり意見などを述べたりする活動。
「B 書くこと」第2学年 ア 多様な考えができる事柄について意見を述べるなど,自分の考えを書く活動。
「C 読むこと」第3学年 ア 論説や報道などの文章を比較するなどして読み,理解したことや考えたことについて討論したり文章にまとめたりする活動。
4 三つの柱
今回の改訂では,他教科等と同様に,国語科において育成を目指す資質・能力を「知識及び技能」,「思考力,判断力,表現力等」,「学びに向かう力,人間性等」の三つの柱で整理し,それぞれに整理された目標を(1),(2),(3)(※目標)に位置付けている。
※ 本文中の「(1),(2),(3)」は「目標」であり,本稿の見出し項目の連番とは異なる。
(1)知識及び技能
社会生活に必要な国語について,その特質を理解し適切に使うことができるようにする。
(1)(※目標)は,「知識及び技能」に関する目標を示したものである。
日常生活から社会生活へと活動の場を広げる中学生が,
社会生活において必要な国語の特質について理解し,それを適切に使うことができるようにすることを示している。
具体的には,内容の〔知識及び技能〕に示されている
・ 言葉の特徴や使い方,
・ 話や文章に含まれている情報の扱い方,
・ 我が国の言語文化
に関する「知識及び技能」のことである。
こうした「知識及び技能」を,社会生活における様々な場面で,主体的に活用できる,生きて働く「知識及び技能」として習得することが重要となる。
(2)思考力,判断力,表現力等
社会生活における人との関わりの中で伝え合う力を高め,思考力や想像力を養う。
(2)(※目標)は,「思考力,判断力,表現力等」に関する目標を示したものである。
社会生活における人と人との関わりの中で,思いや考えを伝え合う力を高め,思考力や想像力を養うことを示している。
具体的には,内容の〔思考力,判断力,表現力等〕に示されている「A話すこと・聞くこと」,「B書くこと」,「C読むこと」に関する「思考力,判断力,表現力等」のことである。
伝え合う力を高めるとは,
人間と人間との関係の中で,互いの立場や考えを尊重し,言語を通して正確に理解したり適切に表現したりする力を高めることである。
思考力や想像力を養うとは,
言語を手掛かりとしながら論理的に思考する力や豊かに想像する力を養うことである。
思考力や想像力などは認識力や判断力などと密接に関わりながら,新たな発想や思考を創造する原動力となる。
こうした力を,未知の状況にも対応できる「思考力,判断力,表現力等」として育成することが重要となる。
(3)学びに向かう力,人間性等
言葉がもつ価値を認識するとともに,言語感覚を豊かにし,我が国の言語文化に関わり,国語を尊重してその能力の向上を図る態度を養う。
(3)(※目標)は,「学びに向かう力,人間性等」に関する目標を示したものである。
言葉がもつ価値を認識するとともに,言語感覚を豊かにし,我が国の言語文化に関わり,国語を尊重してその能力の向上を図る態度を養うことを示している。
① 言葉がもつ価値
言葉がもつ価値には,
・ 言葉によって自分の考えを形成したり新しい考えを生み出したりすること,
・ 言葉から様々なことを感じたり,感じたことを言葉にしたりすることで心を豊かにすること,
・ 言葉を通じて人や社会と関わり自他の存在について理解を深めること
などがある。
こうしたことを価値として認識することを示している。
② 言語感覚
言語感覚とは,
言語で理解したり表現したりする際の正誤・適否・美醜などについての感覚のことである。
話したり聞いたり書いたり読んだりする具体的な言語活動の中で,
・ 相手,目的や意図,場面や状況などに応じて,どのような言葉を選んで表現するのが適切であるかを直観的に判断したり,
・ 話や文章を理解する場合に,そこで使われている言葉が醸し出す味わいを感覚的に捉えたり
することができることである。
言語感覚については,小学校では養うとしているものを,中学校では豊かにするとし,より高いものを求めている。
言語に対する知的な認識を深めるだけでなく,言語感覚を豊かにすることは,一人一人の生徒の言語活動を充実させ,自分なりのものの見方や考え方を形成することに役立つ。
こうした言語感覚の育成には,多様な場面や状況における学習の積み重ねや,継続的な読書などが必要であり,そのためには,国語科の学習を他教科等の学習や学校の教育活動全体と関連させていくカリキュラム・マネジメント上の工夫も大切である。
さらに,生徒を取り巻く言語環境を整備することも,言語感覚の育成に極めて重要である。
③ 我が国の言語文化に関わる
我が国の言語文化に関わるとは,
・ 我が国の歴史の中で創造され,継承されてきた文化的に高い価値をもつ言語そのもの,つまり,文化としての言語,
・ また,それらを実際の生活で使用することによって形成されてきた文化的な言語生活,
・ さらには,古代から現代までの各時代にわたって,表現し,受容されてきた多様な言語芸術や芸能
などに関わることである。
④ 国語を尊重してその能力の向上を図る態度を養う
国語を尊重してその能力の向上を図る態度を養うことを求めているのは,我が国の歴史の中で育まれてきた国語が,人間としての知的な活動や文化的な活動の中枢をなし,一人一人の自己形成,社会生活の向上,文化の創造と継承などに欠かせないからである。
国語に対する自覚や関心を高め,話したり聞いたり書いたり読んだりすることが,生徒一人一人の言語能力を更に向上させていく。その中で,国語を愛護し,国語を尊重して,国語そのものを一層優れたものに向上させていこうとする意識や態度も育っていくのである。
出典:文部科学省「中学校学習指導要領解説国語編 第2章 国語科の目標及び内容 第1節 国語科の目標 1 教科の目標」平成29年6月[ONLINE]http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2017/10/13/1387018_2.pdf (cf:2018-03-28) を加工・作成
平成29年7月版[ONLINE]http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/05/07/1387018_2_1.pdf (cf:2018-12-15) 確認
資料
国語科において育成を目指す資質・能力の整理
| 知識・技能 | 思考力・判断力・表現力等 | 学びに向かう力・人間性等 |
|---|---|---|
| ○言葉の働きや役割に関する理解 ○言葉の特徴やきまりに関する理解と使い分け ・書き言葉(文字),話し言葉,言葉の位相(方言,敬語等) ・語,語句,語彙 ・文の成分,文の構成 ・文章の構造(文と文の関係,段落,段落と文章の関係) など ○言葉の使い方に関する理解と使い分け ・話し方,書き方,表現の工夫 ・聞き方,読み方,音読・朗読の仕方 ・話合いの仕方 ○書写に関する知識・技能 ○伝統的な言語文化に関する理解 ○文章の種類に関する理解 ○情報活用に関する知識・技能 | 国語で理解したり表現したりするための力 【創造的・論理的思考の側面】 ➢情報を多面的・多角的に精査し構造化する力 ・推論及び既有知識・経験による内容の補足,精緻化 ・論理(情報と情報の関係性:共通-相違,原因-結果,具体-抽象等)の吟味・構築 ・妥当性,信頼性等の吟味 ➢構成・表現形式を評価する力 【感性・情緒の側面】 ➢言葉によって感じたり想像したりする力,感情や想像を言葉にする力 ➢構成・表現形式を評価する力 【他者とのコミュニケーションの側面】 ➢言葉を通じて伝え合う力 ・相手との関係や目的,場面,文脈,状況等の理解 ・自分の意思や主張の伝達 ・相手の心の想像,意図や感情の読み取り ➢構成・表現形式を評価する力 ≪考えの形成・深化≫ ➢考えを形成し深める力(個人または集団として) ・情報を編集・操作する力 ・新しい情報を,既に持っている知識や経験,感情に統合し構造化する力 ・新しい問いや仮説を立てるなど,既に持っている考えの構造を転換する力 | ・言葉が持つ曖昧性や,表現による受け取り方の違いを認識した上で,言葉が持つ力を信頼し,言葉によって困難を克服し,言葉を通して社会や文化を創造しようとする態度 ・言葉を通じて,自分のものの見方や考え方を広げ深めようとするとともに,考えを伝え合うことで,集団としての考えを発展・深化させようとする態度 ・様々な事象に触れたり体験したりして感じたことを言葉にすることで自覚するとともに,それらの言葉を互いに交流させることを通して,心を豊かにしようとする態度 ・言葉を通じて積極的に人や社会と関わり,自己を表現し,他者の心と共感するなど互いの存在についての理解を深め,尊重しようとする態度 ・我が国の言語文化を享受し,生活や社会の中で活用し,継承・発展させようとする態度 ・自ら進んで読書をし,本の世界を想像したり味わったりするとともに,読書を通して様々な世界に触れ,これを擬似的に体験したり知識を獲得したり新しい考えに出会ったりするなどして,人生を豊かにしようとする態度 |
※ 出典:中央教育審議会「幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)別添資料(1/3)別添2-1 国語科において育成を目指す資質・能力の整理」平成28年12月21日[ONLINE]http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2017/01/10/1380902_3_1.pdf (cf:2018/04/06作成) (cf:2018-12-07)
小・中・高「国語科の目標」の比較から見る資質・能力の発展
小学校,中学校国語科における言語活動例の系統
※ 出典:文部科学省「小学校学習指導要領 第2章各教科 第1節国語」平成29年3月[ONLINE]http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/03/29/1384661_4_2.pdf(参照2018/04/10)
市販版[ONLINE]http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/09/05/1384661_4_3_2.pdf (cf:2018-12-07) 確認
※ 出典:文部科学省「中学校学習指導要領 第2章各教科 第1節国語」平成29年3月[ONLINE]http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/03/29/1384661_5_2.pdf(参照2018/04/10)
市販版[ONLINE]http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/05/07/1384661_5_4.pdf (cf:2018-12-07) 確認
言葉による見方・考え方を働かせるとは
「1 指導計画作成上の配慮事項」では,「言葉による見方・考え方を働かせる」ことについて,次のように解説しています。
国語科は,様々な事物,経験,思い,考え等をどのように言葉で理解し,どのように言葉で表現するか,という言葉を通じた理解や表現及びそこで用いられる言葉そのものを学習対象としている。
言葉による見方・考え方を働かせるとは,
生徒が学習の中で,対象と言葉,言葉と言葉との関係を,言葉の意味,働き,使い方等に着目して捉えたり問い直したりして,言葉への自覚を高めることであると考えられる。
この「対象と言葉,言葉と言葉との関係を,言葉の意味,働き,使い方等に着目して捉えたり問い直したりする」とは,
言葉で表される話や文章を,
・ 意味や働き,使い方などの言葉の様々な側面から総合的に思考・判断し,理解したり表現したりすること,
・ また,その理解や表現について,改めて言葉に着目して吟味すること
を示したものと言える。
※ 出典:文部科学省「中学校学習指導要領解説国語編 第4章 指導計画の作成と内容の取扱い 1 指導計画作成上の配慮事項 ○主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に関する配慮事項」平成29年6月[ONLINE]http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2017/10/13/1387018_2.pdf(参照2018/04/11)
平成29年7月版[ONLINE]http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/05/07/1387018_2_1.pdf (cf:2018-12-07) 確認