- 平成29年告示の中学校学習指導要領保健体育科の目標は,どのようなものでしょうか。
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※ 次期学習指導要領を見通した指導に資するため、「次期改訂(2027年度告示予定) を見通して(2026-0517:追記)」の章を追加しています。ご参照ください。
中学校保健体育科では,体育や保健の見方・考え方を働かせ,課題を発見し,合理的な解決に向けた学習過程を通して,心と体を一体として捉え,生涯にわたって心身の健康を保持増進し豊かなスポーツライフを実現するための資質・能力の育成を目指します。この資質・能力とは,以下を指します。
・ それぞれの運動が有する特性や魅力に応じて,その楽しさや喜びを味わおうとする自主的な態度
・ 公正に取り組む,互いに協力する,自己の責任を果たす,参画する,一人一人の違いを大切にしようとするなどの意欲や健康・安全への態度
・ 運動を合理的に実践するための運動の技能や知識
・ それらを活用するなどの思考力,判断力,表現力等
運動の楽しさや喜びを味わえるよう基本的な運動の技能や知識を確実に身に付けるとともに,それらを活用して,自他の運動の課題を解決するなどの学習をバランスよく行うことが重要です。
掲載の趣旨
平成29年告示の学習指導要領では,資質・能力や内容などの全体像を分かりやすく見渡せるよう,枠組みが大きく見直され「学びの地図」として整理されました。
その趣旨に添い,本稿では,解説本文を次のように編集しています。
・ 目標解説の内容が捉えやすいように原文を装飾
・ 他教科等・他学校種の目標や解説が比較しやすように編集
具体的には,本文は原文通りで,次のように編集しています。
・ 各教科等の目標の解説を共通した章立てで構成
・ 学校種間の対応する内容についてリンクで移動 など
掲載の趣旨の詳細は,下のボタンより参照できます。
なお,本稿は,「文部科学省ウェブサイト利用規約」(2018年3月1日に利用)に基づいて,原本を加工し作成しています。
小学校・中学校各教科等の目標の解説 「小・中学校「教科等の目標解説を縦横に読む」シリーズ」は,下のボタンより閲覧できます。
次期改訂(2027年度告示予定) を見通して(2026-0517:追記)
1. 現行目標の捉え方:「柱書の小中高共通化」と「自由な楽しみ方」への転換
現行の学習指導要領では、資質・能力の「三つの柱」に基づき、「心と体を一体として捉え、健康・安全や運動についての理解と実践を通して、豊かなスポーツライフを実現する」ことを目指してきました。次期改訂に向けた審議では、この方向性をさらに本質化させ、小・中・高校で共通の「目標の柱書(はしらがき)」を導入する方針が示されました。
特に「見方・考え方」の捉え方において大きな転換があります。従来の「価値や特性に着目した体力の向上」という視点から、「全ての人にとっての自由な楽しみ方や、心身の充実を果たす役割の視点」へと再定義されます。これは、特定の種目の競技力を高めるためではなく、生涯にわたり「する・みる・支える・知る」といった多様な関わり方を通して自他の豊かな生涯を実現することを教科の究極的な目標として明確化したものです。
2. 次期改訂を見通した指導方法の転換
次期改訂を見据えた授業改善では、「運動種目の枠組み」から「資質・能力ベースの内容提示」へと弾力化を図り、現場に「余白」を創出しながら学びの質を高める、以下の3つのアプローチへの転換が求められます。
① 低学年における「動きの意図」を軸とした指導の系統化
小学校1〜4年生(神経系が発達する時期)の体育において、従来の種目ありきの指導から、「どのような『動き』を意図しているか」を軸とした指導に転換します。幼児教育の「遊び」から滑らかに接続し、子供たちが試行錯誤しながら発達段階に応じた「体の動かし方」を確実に習得できる探究的なプロセスを構築します。
② 体育理論と実践、および保健との連動(高次の資質・能力の育成)
中学校・高校の「体育理論」を、単なる座学や孤立した知識に終わらせず、「実際の運動(実践)」や「保健分野」と意図的・計画的に関連付ける指導を展開します。これにより、現代的な健康課題(SNS普及に伴う影響やメンタルヘルス等)を自分事として捉え、危険の予測や回避方法を多面的に考えて判断する「高次の資質・能力(知識・技能の統合的な理解と、思考・判断・表現の総合的な発揮)」を育みます。
③ デジタルツールの活用と「学習評価の簡素化・適正化」
1人1台端末などのデジタル学習基盤を前提とした授業設計を進めます。生徒が自身のフォームを客観的に見直したり、他者と協働して戦術を分析したりする活動を充実させます。一方で、従来の態度(関心・意欲・態度)の一部を「知識・技能」等へ再整理する改善案に基づき、細かな総括的評価を見直すことで、子供の変容を捉える「プロセス評価(形成的評価)」へと指導方法を最適化します。
★ 以下の内容の記事を下記のリンク先に掲載しています。ご参照ください。
次期学習指導要領における、体育・保健体育科教育の改善の方向性
| Q | 次期学習指導要領において、体育・保健体育科教育は、どのように改善されるのでしょうか。 |
| A | 我が国の子どもの体力低下や現代的な健康課題、部活動の地域移行に対応するため、以下の3点を最優先として構造的な改善が図られます。 1. 小中高一貫した目標の共通化:校種間の分断を解消し、「豊かなスポーツライフの実現」と「心身の健康保持増進」に向けた12年間の指導の系統性をシームレスにつなぎます。 2. 「運動遊び」の中学年への拡大と幼小接続の強化:幼児期の「遊び」による多様な動きの獲得を小学校1・2年へ滑らかに接続し、さらにそのアプローチを小学校4年(中学年)まで拡大して運動の楽しさを段階的に定着させます。 3. 客観的な学習評価への見直しと教員の負担軽減:主観的になりがちだった「態度」の一部を「知識・技能」観点へ包摂し、評価基準を明確化して指導のゆとりを確保します。 |
中学校 保健体育科の目標
1 教科の目標
(1)目標
教科の目標は,中学校教育の中での保健体育科の特性を総括的に示すとともに,小学校の体育科及び高等学校の保健体育科との関連で,中学校としての重点や基本的な指導の方向を示したものである。
今回改訂した保健体育科の目標は,義務教育段階で育成を目指す資質・能力を 踏まえつつ,引き続き,体育と保健を関連させていく考え方を強調したものである。
体育や保健の見方・考え方を働かせ,課題を発見し,合理的な解決に向けた学習過程を通して,心と体を一体として捉え,生涯にわたって心身の健康を保持増進し豊かなスポーツライフを実現するための資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 各種の運動の特性に応じた技能等及び個人生活における健康・安全に ついて理解するとともに,基本的な技能を身に付けるようにする。
(2) 運動や健康についての自他の課題を発見し,合理的な解決に向けて思 考し判断するとともに,他者に伝える力を養う。
(3) 生涯にわたって運動に親しむとともに健康の保持増進と体力の向上を 目指し,明るく豊かな生活を営む態度を養う。
※ 平成20年中学校学習指導要領「保健体育」目標
「心と体を一体としてとらえ,運動や健康・安全についての理解と運動の合理的な実践を通して,生涯にわたって運動に親しむ資質や能力を育てるとともに健康の保持増進のための実践力の育成と体力の向上を図り,明るく豊かな生活を営む態度を育てる。」
※ 平成10年中学校学習指導要領「保健体育」目標
「心と体を一体としてとらえ,運動や健康・安全についての理解と運動の合理的な実践を通して,積極的に運動に親しむ資質や能力を育てるとともに,健康の保持増進のための実践力の育成と体力の向上を図り,明るく豊かな生活を営む態度を育てる。」
※ 平成元年中学校学習指導要領「保健体育」目標
「運動の合理的な実践と健康・安全についての理解を通して,運動に親しむ習慣を育てるとともに健康の増進と体力の向上を図り,明るく豊かな生活を営む態度を育てる。」
(2)目標の構成
この目標は,「知識及び技能」,「思考力,判断力,表現力等」,「学びに向かう力,人間性等」を育成することを目指すとともに,生涯にわたって心身の健康を保持増進し豊かなスポーツライフを実現することを目指すものである。この目標を達成するためには,運動する子供とそうでない子供の二極化傾向が見られることや社会の変化に伴う新たな健康課題に対応した教育が必要との指摘を踏まえ,引き続き,心と体をより一体として捉え,健全な心身の発達を促すことが求められることから,体育と保健を一層関連させて指導することが重要である。
また,学校教育法において,
1. 「中学校は,小学校における教育の基礎の上に,心身の発達に応じて,義務教育として行われる普通教育を施すことを目的とする」(第45条)とした義務教育修了段階であること,
2. 「生涯にわたり学習する基盤が培われるよう,基礎的な知識及び技能を習得させるとともに,これらを活用して課題を解決するために必要な思考力,判断力,表現力その他の能力をはぐくみ,主体的に学習に取り組む態度を養うことに,特に意を用いなければならない」(第46条)と規定されていること,
3. 「健康,安全で幸福な生活のために必要な習慣を養うとともに,運動を通じて体力を養い,心身の調和的発達を図ること」(第21条第8号)と規定されていること
等を踏まえ,
1. 「各種の運動の特性に応じた技能等及び個人生活における健康・安全について理解するとともに,基本的な技能を身に付ける」こと,
2. 「運動や健康についての自他の課題を発見し,合理的な解決に向けて思考し判断するともに,他者に伝える力を養う」こと,
3. 「生涯にわたって運動に親 しむとともに健康の保持増進と体力の向上を目指し,明るく豊かな生活を営む態 度を養う」ことの,
「知識及び技能」,「思考力,判断力,表現力等」,「学びに向かう力,人間性等」の資質・能力の三つの柱で示された目標が相互に密接に関連していることを示すとともに,保健体育科の重要なねらいであることを明確にしたものである。
これらの実現を通して,「学びに向かう力,人間性等」で示された,生涯にわたって運動に親しむこと,健康の保持増進及び体力の向上を図ることを関連させて育成する中で,現在及び将来の生活を健康で活力に満ちた明るく豊かなものにすることが大切である。
2 柱書
次に,保健体育科の目標に示されている各部分を解説すると次のとおりである。
(1)見方・考え方
① 体育や保健の見方・考え方を働かせ
体育や保健の見方・考え方を働かせとは,
体育の見方・考え方については,生涯にわたる豊かなスポーツライフを実現する観点を踏まえ,
「運動やスポーツを,その価値や特性に着目して,楽しさや喜びとともに体力の向上に果たす役割の視点から捉え,自己の適性等に応じた『する・みる・支える・知る』の多様な関わり方と関連付けること」,
保健の見方・考え方については,
疾病や傷害を防止するとともに,生活の質や生きがいを重視した健康に関する観点を踏まえ,
「個人及び社会生活における課題や情報を,健康や安全に関する原則や概念に着目して捉え,疾病等のリスクの軽減や生活の質の向上,健康を支える環境づくりと関連付けること」
であると考えられる。
特に,見方・考え方については,本解説第1章総説の1(2)③で示しているとおり,
「各教科等の『見方・考え方』は,『どのような視点で物事を捉え,どのような考え方で思考していくのか』というその教科等ならではの物事を捉える視点や考え方である。
各教科等を学ぶ本質的な意義の中核をなすものであり,教科等の学習と社会をつなぐものであることから,児童生徒が学習や人生において『見方・考え方』を自在に働かせることができるようにすることにこそ,教師の専門性が発揮されることが求められる」
としている。
保健体育科においては,見方・考え方を働かせる学習過程を工夫することにより,保健体育科で育成を目指す資質・能力がより豊かになり,保健体育科の目標である,生涯にわたって心身の健康を保持増進し豊かなスポーツライフを実現するための資質・能力の育成につなげようとするものである。
② 体育分野
体育分野においては,運動する子供とそうでない子供の二極化傾向が見られることや,様々な人々と協働し自らの生き方を育んでいくことの重要性などが指摘されている中で,体力や技能の程度,年齢や性別,障害の有無等にかかわらず, 運動やスポーツの特性や魅力を実感したり,運動やスポーツが多様な人々を結び付けたり豊かな人生を送ったりする上で重要であることを認識したりすることが求められる。
その際,体育の見方・考え方に示されたように,各種の運動やスポーツが有する楽しさや喜び及び関連して高まる体力などの視点から,自己の適性等に応じた多様な関わり方を見いだすことができるようになることが,体育分野での学習と社会をつなぐ上で重要なものであることを示したものである。
③ 保健分野
保健分野においては,社会の変化に伴う現代的な健康に関する課題の出現や,情報化社会の進展により様々な健康情報の入手が容易になるなど,環境が大きく変化している中で,生徒が生涯にわたって正しい健康情報を選択したり,健康に関する課題を適切に解決したりすることが求められる。
その際,保健の見方・考え方に示されたように,保健に関わる原則や概念を根拠としたり活用したりして,疾病等のリスクの軽減や生活の質の向上,さらには健康を支える環境づくりを目指して,情報選択や課題解決に主体的に取り組むことができるようにすることが必要である。保健の見方・考え方にはそのような意図が込められている。
このような見方・考え方を働かせることができるような学習過程を工夫することが求められる。
※ 【英訳(仮訳)】中学校学習指導要領では,「各教科等の特質に応じた物事を捉える視点や考え方(以下「見方・考え方」という。)」を「discipline-based epistemological approaches, hereinafter referred to as “Approaches”」と訳す。見方・考え方を“Approaches”で代表している。このことを考え合わせると見方・考え方の意味がより一層捉えやすくなる。すなわち,見方・考え方は,物事を認識するときの入り方,近づき方,せまり方と言い換えることができる。
引用:文部科学省「平成29年改訂中学校学習指導要領英訳版(仮訳)」[ONLINE]https://www.mext.go.jp/content/20200227-mxt_kyoiku02-100002604_2.pdf(cf:2020.05.26)
(2)学び方
課題を発見し,合理的な解決に向けた学習過程とは,
体育分野においては,
1.各領域特有の特性や魅力に応じた課題を発見し,
2.運動に関わる一般原則や運動に伴う事故の防止等の科学的な知識や技能及びスポーツライフをより豊かにするための知識等を活用して,
3.自らの学習活動を振り返りつつ,
4.仲間とともに課題を解決し,
5.次の学びにつなげられるようにする
といった学習の過程を示している。
保健分野においては,
1.個人生活における健康・安全の内容から自他の健康に関する課題を発見し,
2.健康情報や知識を吟味し,活用して多様な解決方法を考えるとともに,
3.これらの中から,適切な方法を選択・決定し,自他の生活に活用したりする
ことを示している。
(3)資質・能力
心と体を一体として捉えとは,生徒の心身ともに健全な発達を促すためには心と体を一体として捉えた指導が重要であることから,引き続き強調したものである。
すなわち,心と体の発達の状態を踏まえて,運動による心と体への効果や健康,特に心の健康が運動と密接に関連していることなどを理解することの大切さを示したものである。そのためには,「体ほぐしの運動」など具体的な活動を通して心と体が深く関わっていることを体得することができるよう指導することが必要である。
生涯にわたって心身の健康を保持増進しとは,保健を通して培う包括的な目標を示したものである。
現在及び将来の生活において,自他の健康に関心をもち,その大切さについての認識を深めるとともに,健康に関する課題に対して保健の知識及び技能等を習得,活用して,自他の健康の保持増進や回復を目指して的確に思考,判断し,それらを表現することができるような資質・能力を育成することを目指している。
ここには,健康・安全について科学的に理解することを通して,心身の健康の保持増進に関する内容を単に記憶としてとどめることではなく,生徒が現在及び将来の生活において健康に関する課題に対して,科学的な思考と正しい判断の下に適切な意思決定・行動選択を行い,適切に実践していくための思考力,判断力,表現力等が含まれている。
生涯にわたって豊かなスポーツライフを実現するための資質・能力とは,体育を通して培う包括的な目標を示したものである。
この資質・能力とは,
・ それぞれの運動が有する特性や魅力に応じて,その楽しさや喜びを味わおうとする自主的な態度,
・ 公正に取り組む,互いに協力する,自己の責任を果たす,参画する,一人一人の違いを大切にしようとするなどの意欲や健康・安全への態度,
・ 運動を合理的に実践するための運動の技能や知識,
・ それらを活用するなどの思考力,判断力,表現力等
を指している。
これらの資質・能力を育てるためには,
・ 体を動かすことが,情緒面や知的な発達を促し,集団的活動や身体表現などを通してコミュニケーション能力を育成することや,
・ 筋道を立てて練習や作戦を考え,改善の方法などを互いに話し合う活動などを通して論理的思考力を育むことにも資することを踏まえ,
運動の楽しさや喜びを味わえるよう基本的な運動の技能や知識を確実に身に付けるとともに,それらを活用して,自他の運動の課題を解決するなどの学習をバランスよく行うことが重要である。
このことにより,学校の教育活動全体に運動を積極的に取り入れ,実生活,実社会の中などで汎用的に生かすことができるようにすることを目指したものである。
3 三つの柱
(1)知識及び技能
各種の運動の特性に応じた技能等及び個人生活における健康・安全について理解するとともに,基本的な技能を身に付けるようにする。
次に,(1)の各種の運動の特性に応じた技能等について理解するとは,
・ それぞれの運動の特性や魅力に応じた行い方や
・ 運動をすることの意義と効果,
・ 運動の原則
などについて科学的に理解できるようにすることである。
個人生活における健康・安全について理解するとは,
・ 健康な生活と疾病の予防,
・ 心身の機能の発達と心の健康,
・ 傷害の防止及び健康と環境など,
心身の健康の保持増進について科学的な原則や概念に基づいて理解できるようにすることである。
基本的な技能を身に付けるとは
・ 生涯にわたって運動に親しむ態度につながるよう,
・ また,運動の楽しさや喜びを味わうことができるよう
基本的な技能や動きを身に付けることを示している。また,個人生活を中心とした内容に関わる基本的な技能を身に付けることを示している。
(2)思考力,判断力,表現力等
運動や健康についての自他の課題を発見し,合理的な解決に向けて思考し判断するとともに,他者に伝える力を養う。
次に,(2)の運動や健康についての自他の課題を発見しとは,
・ 各領域の特性を踏まえて,動きや技などの改善についてのポイントを発見したり,
・ 仲間との関わり合いや健康・安全についての自己や仲間の取り組み方などの課題を発見したりすることを示している。
・ また,健康に関わる事象や健康情報などから自他の課題を発見すること
を示している。
合理的な解決に向けて思考し判断するとは,
・ 運動の行い方や練習の仕方,
・ 活動の仕方,
・ 健康・安全の確保の仕方,
・ 運動の継続の仕方など,
これまで学習した運動に関わる一般原則や運動に伴う事故の防止等の科学的な知識や技能を,自己や仲間の課題に応じて学習場面に適用したり,応用したりすることを示している。
また,発見した健康に関する課題について,習得した知識及び技能を活用し,解決方法を考えるとともに,様々な解決方法の中から適切な方法を選択するなど,よりよい解決に向けて判断することを示している。
他者に伝えるとは,自己や仲間の課題について,思考し判断したことを,言葉や文章及び動作などで表したり,仲間や教師などに理由を添えて伝えたりすることを示している。
(3)学びに向かう力,人間性等
生涯にわたって運動に親しむとともに健康の保持増進と体力の向上を目指し,明るく豊かな生活を営む態度を養う。
次に,(3)の生涯にわたって運動に親しむとは,
・ それぞれの運動が有する特性や魅力に応じて,その楽しさや喜びを味わおうとする自主的な態度,
・ 公正に取り組む,
・ 互いに協力する,
・ 自己の責任を果たす,
・ 参画する,
・ 一人一人の違いを大切にしようとする
などの意欲や健康・安全への態度を系統的に育むことにより,運動やスポーツとの多様な関わり方を場面に応じて選択し,実践できるようにすることを示したものである。
健康の保持増進とは,自他の健康の大切さを認識し,健康の保持増進や回復等に主体的に取り組み,健康で豊かな生活を営む態度の育成を重視する観点から,
・ 自他の健康に関心をもち,
・ 自他の健康に関する取組のよさを認める,
・ 自他の健康の保持増進や回復等のために主体的,協働的に活動する
等の態度を育成する学びに向かう力,人間性等の資質・能力の基礎を育成することを示したものである。
体力の向上を目指しとは,運動を適切に行うことによって,自己の状況に応じて体力の向上を図る能力を育て,心身の調和的発達を図ることである。
体力は,人間の活動の源であり,健康の維持のほか意欲や気力といった精神面の充実に大きく関わっており,「生きる力」の重要な要素である。
そのためには,体育分野で学習する運動を継続することの意義や体力の高め方などや保健分野で学習する心身の健康の保持増進に関する内容を基に,自己の体力の状況を捉えて,目的に適した運動の計画を立て取り組むことができるようにすることが必要である。
明るく豊かな生活を営む態度とは,
・ 生涯にわたる豊かなスポーツライフを実現するための資質・能力,
・ 健康で安全な生活を営むための資質・能力
としての実践力及び健やかな心身を育てることによって,現在及び将来の生活を健康で活力に満ちた明るく豊かなものにすることである。
出典:文部科学省「中学校学習指導要領解説 第2章 保健体育科の目標及び内容 第1節 教科の目標及び内容 1 教科の目標」平成29年6月[ONLINE]http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2017/07/25/1387018_8_1.pdf(参照2018/04/05)を加工して作成
文部科学省「中学校学習指導要領解説 第2章 保健体育科の目標及び内容 第1節 教科の目標及び内容 1 教科の目標」平成29年7月[ONLINE]http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/05/07/1387018_8_2.pdf(cf:2018-12-17)確認済み
資料
「体育科,保健体育科において育成を目指す資質・能力の整理」
中教審添付資料「体育科,保健体育科において育成を目指す資質・能力の整理」において,「個別の知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力・人間性等」という資質・能力の三つの柱を学校段階ごとに示しています。
※出典:中央教育審議会「幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)別添資料(2/3)別添12-1 体育科,保健体育科において育成を目指す資質・能力の整理〈小学校〉〈中学校〉高等学校〉」平成28年12月21日[ONLINE]http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2017/10/13/1387018_6.pdf(参照2018/04/05)