- 次期学習指導要領等の改訂は,どのようなスケジュールで行われますか。
-
次期学習指導要領の改訂に向けたスケジュールは、過去の改訂実績(約10年周期、答申から4年後の全面実施など)を踏まえ、以下のタイムラインで進むと予想されます。
- 2024年(令和6年)12月25日: 次期指導要領に向けた大臣諮問 済
- 2025年(令和7年)9月25日: 教育課程企画特別部会による「中間論点整理」 済
- 2026年(令和8年)夏頃:中央教育審議会による最終答申(次期指導要領の完成版公表)。
- 2027年(令和9年)初頭:文部科学省による新学習指導要領の告示。
- 2028年〜2029年度:学校現場への周知・浸透、移行措置期間(新教科書の発行・採択)。
- 2030年度(令和12年度)〜:小学校での全面実施。
- 2031年度(令和13年度)〜:中学校での全面実施。
- 2032年度(令和14年度)〜:高等学校での年次進行(入学生から順次)実施。
なお、幼稚園については、2026年夏の答申、2027年初頭の幼稚園教育要領告示を経て、2030年度(令和12年度)から全面実施される見込みです。
1 改訂に関するスケジュール
次期学習指導要領の改訂は、国レベルの「審議・策定プロセス」を経て、現場での「教科書検定・採択等の移行プロセス」を通り、約10年の周期で全面実施に至ります。
文部科学省の中央教育審議会(中教審)・教育課程企画特別部会の審議実績と公式資料に基づく、改訂手順と確定・予測日時です。
1. 審議・策定フェーズ(実施済〜2026年度)
学習指導要領の改訂は、文部科学大臣から中教審への「諮問」によって幕を開けます。
- 2024年(令和6年)5月【実施済】:
文部科学大臣より中教審へ「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について」が諮問されました。 - 2024年後半〜2025年(令和7年)9月【実施済】:
教育課程企画特別部会が設置され、理念や全体像を討議。2025年9月に次期改訂の方向性を決定づける「論点整理」を取りまとめました。 - 2025年秋〜2026年(令和8年)夏【現在進行中】:
論点整理を受け、国語、算数・数学、情報・技術などの各教科ワーキンググループ(WG)にて、具体的な単元構成や指導事項の精査を継続しています。 - 2026年(令和8年)夏頃【予測】:
部会による最終取りまとめ、秋のパブリックコメント募集を経て、年末に中教審が文部科学大臣へ最終的な「答申」を行います。 - 2027年(令和9年)初頭【予測】:
文部科学省が官報にて、次期学習指導要領の「改訂告示」を公示します。
2. 周知・移行措置フェーズ(2027年度〜2029年度)
告示後すぐに新カリキュラムが始まるわけではありません。学校現場の混乱を防ぎ、新たな教科書を供給するための「移行期間」が設けられます。
- 2027年度(令和9年度):
新指導要領の趣旨を学校に伝える「周知・徹底」の期間です。同時に教科書会社が新しい指導要領に準拠した教科書の編集を行います。 - 2028年度(令和10年度):
文部科学省による「教科書検定」が実施されます。 - 2029年度(令和11年度):
各自治体の教育委員会や学校が教科書の見本を審査し、実際に使用する本を決定する「教科書採択・供給」が実施されます。
なお、今回の改訂の目玉である「調整授業時数制度」については、学校現場の負担を軽減するため、2026年4月【実施済】から一部の公立小中学校で「教育課程柔軟化サキドリ研究校事業」として先行導入されています。
3. 校種別の全面実施フェーズ(2030年度〜2032年度)
過去の改訂(平成29年・30年告示)の実績に基づき、校種ごとに1年ずつずらして完全移行されます。
- 2030年度(令和12年度)〜:
幼稚園および小学校での全面実施(新教科書の仕様開始)。 - 2031年度(令和13年度)〜:
中学校での全面実施。 - 2032年度(令和14年度)〜:
高等学校での実施。高校は全学年一斉ではなく、高校1年生(入学生)から順に適用される「年次進行」で導入されます。
2 3世代改訂スケジュール
1. 概要
前・学習指導要領(平成20年改訂:脱ゆとり)
- 2005年(平17)2月28日: 改善に向けた大臣諮問
- 2006年(平18)2月13日: 初中分科会による「審議のまとめ(論点整理)」
- 2008年(平20)1月17日: 改善に向けた中教審「最終答申」(第55号)
- 2008年(平20)3月28日: 幼稚園・小学校・中学校の学習指導要領 改正告示
現行・学習指導要領(平成29年改訂:資質・能力ベース)
- 2014年(平26)11月20日: 改善に向けた大臣諮問
- 2015年(平27)8月26日: 教育課程企画特別部会による「論点整理」
- 2016年(平28)12月21日: 改善に向けた中教審「最終答申」(第197号)
- 2017年(平29)3月31日: 幼稚園・小学校・中学校の学習指導要領 改正告示
次期・学習指導要領(2026年度改正予定:2030年代の教育課程)
- 2024年(令6)12月25日: 次期指導要領に向けた大臣諮問 *1
- 2025年(令7)9月25日: 教育課程企画特別部会による「中間論点整理」 *2
- 2026年(令8)夏〜秋(見込み): 教育課程部会による「審議のまとめ」
- 2026年(令8)冬(見込み): 改善に向けた中教審「最終答申」
- 2027年(令9)3月(見込み): 幼稚園・小学校・中学校の学習指導要領 改正告示
*1-1 文部科学省「中央教育審議会(第140回)の開催について」[ONNLINE]https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/kaisai/1415012_00028.html(令和6年12月13日)
*1-2 「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について(令和6年12月25日中央教育審議会諮問)」(6文科初第1855号) https://www.mext.go.jp/content/20241226-mxt_kyoiku01-000039494_1.pdf
*1-3 「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について(令和6年12月25日中央教育審議会諮問)」プレゼンテーション資料 https://www.mext.go.jp/content/20250327-mxt_kyoiku01-000039494_2.pdf(cf20260515)
*2-1 文部科学省「教育課程企画特別部会における論点整理について(報告)」https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/004/gaiyou/mext_00010.html(令和7年9月25日)
*2-2 中央教育審議会教育課程企画特別部会「教育課程企画特別部会 論点整理 令和7年9月25日」プレゼンテーション資料 https://www.mext.go.jp/content/20260129-mxt_kyoiku01-000045057_01.pdf(cf20260515)
改訂のプロセスは、諮問から告示まで約2年〜2年半の周期で進んでいます。
今回は現行の「10年周期」を維持しつつ、DXや不登校対応などの急激な社会変化(2030年代の教育課程構築)を見据えた密度の高い審議が行われています。
| 区分 | 前・学習指導要領 (平成20年改訂・脱ゆとり) | 現行・学習指導要領 (平成29年改訂・資質能力ベース) | 次期・学習指導要領 (2030年度実施予定) |
|---|---|---|---|
| ① 大臣諮問 (審議の開始時) | 2005年(平17)2月28日 (小坂大臣) | 2014年(平26)11月20日 (下村大臣) | 2024年(令6)12月25日 (阿部大臣) |
| ② 論点整理・中間報告 (方向性の提示) | 2006年(平18)2月13日 (初中分科会報告) | 2015年(平27)8月26日 (教育課程企画特別部会) | 2025年(令7)9月25日 (教育課程企画特別部会) |
| ③ 専門部会・WG審議 (教科別の具体化) | 2006年〜2007年 (各教科等での審議) | 2015年〜2016年 (教科別WG・部会) | 2025年秋〜2026年夏 (各教科等WGにて集中的に討議中) |
| ④ 中教審 最終答申 (最終結論の提出) | 2008年(平20)1月17日 (中央教育審議会) | 2016年(平28)12月21日 (中央教育審議会) | 2026年(令8)冬(予定) (年末までに取りまとめ予定) |
| ⑤ 改正告示 (国の正式基準決定) | 2008年(平20)3月28日 (幼・小・中) | 2017年(平29)3月31日 (幼・小・中) | 2027年(令9)3月頃(予定) (2026年度末までに順次告示) |
| ⑥ 全面実施 (学校での完全移行) | 2011年(平23)4月〜 (小学校全面実施) | 2020年(令2)4月〜 (小学校全面実施) | 2030年(令12)4月〜 (小学校より順次実施) |
出典:文部科学省「審議会別 諮問・答申等一覧」[ONLINE]https://warp.ndl.go.jp/web/20190601110547/http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/toushin.htm#pageLink1311470 (2026-0515)
2. 前および現行学習指導要領の改訂スケジュール
- 2005年(平成17年)2月28日【諮問】
- 文部科学大臣から中央教育審議会へ「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について」諮問
- 2006年(平成18年)2月13日【論点整理】
- 中央教育審議会 初等中等教育分科会が「審議のまとめ」を公表(指導時数増加や主要教科の見直し方針を提示)
- 2007年(平成19年)11月〜12月【部会取りまとめ】
- 教育課程部会および各教科専門部会が報告書を起草
- 2008年(平成20年)1月17日【最終答申】
- 中央教育審議会 第55号答申「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」を提出
- 2008年(平成20年)3月28日【改正告示】
- 文部科学省が新「幼稚園教育要領」「小学校学習指導要領」「中学校学習指導要領」を官報に告示(同年12月には高校・特別支援学校も告示)
- 2014年(平成26年)11月20日【諮問】
- 中教審へ「初等中等教育における教育課程の基準等の改善及び必要な方策等について」諮問
- 2015年(平成27年)8月26日【論点整理】
- 教育課程企画特別部会が「論点整理」を公表(「資質・能力の3つの柱」の原型)
- 2016年(平成28年)8月26日【部会審議まとめ】
- 教育課程部会が「審議まとめ」を公表、パブリックコメント実施
- 2016年(平成28年)12月21日【最終答申】
- 中教審 第197号答申を提出
- 2017年(平成29年)3月31日【改正告示】
- 小・中・幼の学習指導要領を官報に告示(高・特支は平成30年3月告示)
出典:文部科学省「審議会別 諮問・答申等一覧」[ONLINE]https://warp.ndl.go.jp/web/20190601110547/http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/toushin.htm#pageLink1311470 (2026-0515)
3 スケジュールイメージ
現行学習指導容量と同様のスケジュールと仮定すると,次期学習指導要領の改訂スケジュールは,下の表のようです。
参考として、下の表は,現行学習指導要領の改訂に関するスケジュールです。
4 参考資料 学習指導要領の変遷
学習指導要領の改訂は、以下の内容で概ね10年程度で進められています。
- 昭和33~35年改訂 (1958~1960)
-
教育課程の基準としての性格の明確化
(道徳の時間の新設、基礎学力の充実、科学技術教育の向上等)(系統的な学習を重視) -
(実施)小学校:昭和36年度、中学校:昭和37年度、高等学校:昭和38年度(学年進行)
- 昭和43~45年改訂 (1968~1970)
-
教育内容の一層の向上(「教育内容の現代化」)
(時代の進展に対応した教育内容の導入)(算数における集合の導入等) -
(実施)小学校:昭和46年度、中学校:昭和47年度、高等学校:昭和48年度(学年進行)
- 昭和52~53年改訂 (1977~1978)
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ゆとりある充実した学校生活の実現=学習負担の適正化
(各教科等の目標・内容を中核的事項に絞る) -
(実施)小学校:昭和55年度、中学校:昭和56年度、高等学校:昭和57年度(学年進行)
- 平成元年改訂 (1989)
-
社会の変化に自ら対応できる心豊かな人間の育成
(生活科の新設、道徳教育の充実) -
(実施)小学校:平成4年度、中学校:平成5年度、高等学校:平成6年度(学年進行)
- 平成10~11年改訂 (1998~1999)
-
基礎・基本を確実に身に付けさせ、自ら学び自ら考える力などの[生きる力]の育成
(教育内容の厳選、「総合的な学習の時間」の新設) -
(実施)小学校:平成14年度、中学校:平成14年度、高等学校:平成15年度(学年進行)
- 平成15年一部改正 (2003)
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学習指導要領のねらいの一層の実現
(例:学習指導要領に示していない内容を指導できることを明確化、個に応じた指導の例示に小学校の習熟度別指導や小・中学校の補充・発展学習を追加)
- 平成20~21年改訂 (2009~2010)
-
「生きる力」の育成、基礎的・基本的な知識・技能の習得、思考力・判断力・表現力等の育成のバランス
(授業時数の増、指導内容の充実、小学校外国語活動の導入) -
(実施)小学校:平成23年度、中学校:平成24年度、高等学校:平成25年度(年次進行)※小・中は平成21年度、高は平成22年度から先行実施
- 平成27年一部改正 (2015)
-
道徳の「特別の教科」化
「答えが一つではない課題に子供たちが道徳的に向き合い、考え、議論する」道徳教育への転換(実施)小学校:平成30年度、中学校:令和元年度
- 平成29~30年改訂 (2017~2018)
-
「生きる力」の育成を目指し資質・能力を三つの柱(※)で整理、社会に開かれた教育課程の実現
(※)「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」(「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング)の視点からの授業改善、カリキュラム・マネジメントの推進、小学校外国語科の新設等) -
(実施)小学校:令和2年度、中学校:令和3年度、高等学校:令和4年度(年次進行)※小・中は平成30年度、高は令和元年度から先行実施
- 令和 8 ~ 9 年改訂 (2026~2027) ※予定
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※ 「主体的・対話的で深い学び」の実現を通じた自らの人生を舵取りする力と民主的で持続可能な社会の創り手の育成
※ 令和7年9月25日 中央教育審議会 教育課程企画特別部会 論点整理 第一章
現行の「主体的・対話的で深い学び」をさらに深化させ、AI時代に対応する探究的な学びと「情報活用能力」の強化、教科の枠を超えた学習の構造化を目指す見通し -
(実施)小学校:令和 12 年度 (2030)、中学校:令和 13 年度 (2031)、高等学校:令和 14 年度 (2032)(年次進行)
出典:(昭和33~35年改訂~平成29~30年改訂)文部科学省「学習指導要領の変遷 」[ONLINE]https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/004/siryo/__icsFiles/afieldfile/2011/04/14/1303377_1_1.pdf(参照2026/05/10)
参考:(令和 8 ~ 9 年改訂 (2026~2027))中央教育審議会教育課程企画特別部会「論点整理 」[ONLINE]https://www.mext.go.jp/content/20260129-mxt_kyoiku01-000045057_01.pdf(参照2026/05/10)