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【中2数学】連立方程式③:速さ・食塩水の文章題を攻略!記述で減点されない「解の吟味」とは?

【中2数学】連立方程式③:速さ・食塩水の文章題を攻略!記述で減点されない「解の吟味」とは?

連立方程式の計算技法を身につけた後は、それを現実世界の課題解決に応用していきましょう。
本記事では、文章から等量関係(等しい関係)を見いだし、連立方程式を立てて解決する具体的な手順を扱います。「速さ・時間・道のり」や「食塩水の濃度」といった定番の応用問題に加え、数学的な計算結果が現実の事象として本当に妥当であるかを批判的に評価・検討する「解の吟味(評価と改善)」の重要性について、深く掘り下げて学びます。

第3節 連立二元一次方程式の活用

1. 数量の関係に着目した問題解決

日常生活や社会の事象の中から問題を見いだし、連立方程式を活用して解決する際には、次の手順に従って進めることが効果的です。

1. 数量の把握と文字の決定:問題の中にある未知の数量に着目し、何を \(x\), \(y\) と表すかを決める。

2. 等量関係の発見と立式:問題に含まれる条件から、2つの等しい関係を見つけ、連立方程式をつくる。

3. 方程式の計算:加減法や代入法を用いて、連立方程式の解を求める。

4. 解の吟味(評価と改善):得られた解が、問題の表す現実の条件(数量の性質、正負の制約など)に適しているかどうかを確かめる。


2. 具体的な場面への適用

💡 例題1(速さと時間に関する問題)

問題
周囲の長さが \(3.2\text{ km}\) の池があります。この池の周りを、AさんとBさんが同じ地点から同時に出発して、それぞれ一定の速さで歩きます。
反対の方向にまわると2人が出発してから \(32\) 分後にはじめて出会い、同じ方向にまわると出発してから \(1\) 時間 \(20\) 分後にAさんがBさんをちょうど \(1\) 周追い抜きます。
AさんとBさんの歩く速さは、それぞれ毎分何 \(\text{m}\) でしょうか。

【考え方】

求める数量である「Aさんの速さ」を分速 \(x\text{ m}\)、「Bさんの速さ」を分速 \(y\text{ m}\) とします。
AさんがBさんを追い抜くことから、速さの関係は、 \(x > y\) です。
単位を \(\text{m}\) と「分」に統一するため、池の周囲 \(3.2\text{ km}\) を \(3200\text{ m}\)、 \(1\) 時間 \(20\) 分を \(80\) 分に直して等しい数量の関係、等量関係を整理します。

  • 反対方向にまわる場合(出会う):\(32\) 分後に出会うことから、Aさんの歩いた道のりは \(32x\text{ m}\)、Bさんは \(32y\text{ m}\)。2人の進んだ道のりの合計が、池の周りの長さに等しくなります。
    \[32x+32y=3200\quad \dots\text{①}\]
  • 同じ方向にまわる場合(追い抜く):Aさんの進んだ道のりとBさんの進んだ道のりの差が、池の周りの長さ(1周分)に等しくなります。
    \[80x-80y=3200\quad \dots\text{②}\]

【解き方】

①の両辺を \(32\) でわり、②の両辺を \(80\) でわって式を整理します。
\[\begin{cases}x+y=100\quad \dots\text{①}^{\prime }\\ x-y=\phantom{1}40\quad \dots\text{②}^{\prime }\end{cases}\]
①’ と ②’ の両辺をそれぞれたすと、次のようになります。
\[\begin{align}2x&=140\\
x&=70\end{align}\]
\(x = 70\) を ①’ に代入すると、次のようになります。
\[\begin{align}70+y&=100\\
y&=30\\\\
(x,y)&=(70,30)\end{align}\]

【解の吟味】

得られた解 \((x, y) = (70, 30)\) は、ともに正の数です。\(x > y\) の条件も満たしています。また、歩く速さとしても現実的です。
したがって、この解は問題の条件に適しています。

【答】 Aさん:毎分 \(70\text{ m}\)、Bさん:毎分 \(30\text{ m}\)

参考:中学生の歩く速さの平均は、およそ分速 \(60〜66m\)(時速約\(3.6〜4.0km\))です。一般的な大人の平均歩行速度(分速\(80m\) / 時速\(4.8km\))と比べると、少しゆっくりめのペースに相当します。


3. 解の吟味の重要性

方程式を解いて得られた計算上の値が、必ずしも現実の問題の答えとして適切であるとは限りません。
数学の世界で導いた結果を、現実の世界の文脈に照らし合わせて多面的に批判・検討(評価・改善)する態度が重要です。

💡 例題2(解の吟味が必要な問題)

問題
ある中学校のボランティア活動に、1年生と2年生の生徒が合わせて \(40\) 人参加しました。
1年生は全員が \(3\) 人ずつのグループを作り、2年生は全員が \(5\) 人ずつのグループを作ったところ、1年生のグループの数が2年生のグループより、ちょうど \(4\) グループ多くなりました。
1年生と 2年生の参加人数は、それぞれ何人でしょうか。

【解き方】

1年生の参加人数を \(x\) 人、2年生の参加人数を \(y\) 人とします。

① 人数の合計に関する式:1年生と2年生の生徒が合わせて \(40\) 人
\[x+y=40\quad \dots\text{①}\]

② グループ数に関する式:1年生 \(\dfrac{x}{3}\) グループ、2年生 \(\dfrac{y}{5}\) グループ。1年生グループが、2年生より、\(4\) グループ多い。すなわち、差が \(4\)。
\[\dfrac{x}{3}-\dfrac{y}{5}=4\quad \dots\text{②}\]

②の両辺を \(15\) 倍して分母を払います。
\[\begin{align}\dfrac{x}{3}\times15-\dfrac{y}{5}\times15&=4\times15\quad &\dots\text{②}\times15\\\\
5x-3y&=60\quad &\dots\text{②}{}^{\prime }\phantom{×15}\end{align}\]
①の両辺を \(3\) 倍して ②’ とたして、 \(y\) を消去します。
\[\begin{array}{rrcr}3x+3y&=&120&\text{①}\times 3\\ +)\quad 5x-3y&=&60&\text{②}{}^{\prime }\\ \hline 8x\phantom{+3y}&=&180&\end{array}\]
この一元一次方程式を解くと、次のようになります。
\[x=\dfrac{180}{8}=\dfrac{45}{2}=22.5\]

【解の吟味と評価】

数学的な計算結果として \(x = 22.5\) という値が得られました。しかし、問題の対象は「人数」であり、人数は \(0\) 以上の整数(自然数)でなければなりません。
したがって、得られた解は問題の条件(現実の事象)に適しません

このことは、「合計 \(40\) 人」かつ「1年生のグループが \(4\) グループ多い」という2つの条件を同時に満たす人数の組み合わせは、現実には存在しないことを意味しています。

【答】 条件を満たす人数の組は存在しない(問題に適する解はない)。


💡例題3 (問題場面の修正)

試しに、2年生の1グループを構成する人数を、5人から4人に変えてみます。問題場面は以下の通りです。

問題
ある中学校のボランティア活動に、1年生と2年生の生徒が合わせて \(40\) 人参加しました。
1年生は全員が \(3\) 人ずつのグループを作り、2年生は全員が \(4\) 人ずつのグループを作ったところ、1年生のグループの数が2年生のグループより、ちょうど \(4\) グループ多くなりました。
1年生と 2年生の参加人数は、それぞれ何人でしょうか。

【解き方】

① 人数の合計に関する式:1年生と2年生の生徒は合わせて \(40\) 人
\[x+y=40\quad \dots\text{①}\]
② グループ数に関する式:1年生グループが、2年生より、\(4\) グループ多い。
\[\begin{align}\dfrac{x}{3}-\dfrac{y}{4}&=\phantom{4}4\quad \dots\text{②}\\
\\
4x-3y&=48\quad \dots\text{②}{}^{\prime }(\text{②}\times12)\end{align}\]

①の両辺を \(3\) 倍して ②’ とたして、 \(y\) を消去します。
\[\begin{array}{rrcr}3x+3y&=&120&\text{①}\times 3\\ +)\quad 4x-3y&=&\phantom{1}48&\text{②}{}^{\prime }\phantom{×3}\\ \hline 7x\phantom{+3y}&=&168&\end{array}\]
この一元一次方程式を解くと、次のようになります。
\[x=\dfrac{168}{7}=24\]

【解の吟味と評価】

\(x=24\) を①に代入して計算すると、\(y=16\) が求められます。\[(x,y)=(24,16)\]この値の組を①②の式に戻して計算すると等式は成り立ちます。また、\(x,y\) は、 \(0\) 以上の整数(自然数)なので、問題に合っています。

【答】1年生 \(24\) 人、2年生 \(16\) 人

したがって、1年生 \(24\) 人は \(3\) 人グループで \(8\) グループ。2年生 \(16\) 人は \(4\) 人グループで \(4\) グループです。

例題2と例題3の結果から、問題場面では、2年生を5人ずつではなく、4人ずつのグループにすると、1年生が4グループ多くなるように作ることができます。

🔎 確かめ問題

【問1】
ある美術館の入館料は、大人 \(2\) 人と子ども \(3\) 人で \(2100\) 円、大人 \(1\) 人と子ども \(5\) 人で \(1750\) 円です。
大人 \(1\) 人の入館料と子ども \(1\) 人の入館料を、連立方程式をつくって求めなさい。また、得られた解が問題の条件に適しているか説明しなさい。

【問2】
ある売店で、1個 \(200\) 円のケーキと1個 \(150\) 円のプリンを合わせて \(15\) 個買い、代金の合計をちょうど \(2620\) 円にしたいと考えています。
ケーキを \(x\) 個、プリンを \(y\) 個として連立方程式をつくって解き、その結果から、この条件通りに購入できるかを判断し、理由もあわせて述べなさい。


📘 本章の「章末問題(基本・標準・発展)」

1. 【基本問題】

次の連立方程式を解きなさい。
\((1)\ \begin{cases}2x+y=7\\ 3x-y=3\end{cases}\qquad (2)\ \begin{cases}3x+2y=12\\ 5x+2y=16\end{cases}\qquad (3)\ \begin{cases}x=3y\\ 2x+y=14\end{cases}\)

2. 【標準問題】

(1) 次の連立方程式を解きなさい。
\(\begin{cases}3x+2y=12\\ 2x+3y=13\end{cases}\)

(2) 次の連立方程式を解きなさい。
\(\begin{cases}0.3x-0.2y=1.2\\ 2x+5y=8\end{cases}\)

(3) 次の連立方程式を解きなさい。
\(\begin{cases}\dfrac{x-2}{3}+y=2\\ 4x-y=6\end{cases}\)

3. 【発展問題】

\(x\), \(y\) についての連立方程式 \(\begin{cases}ax+by=5\\ bx-ay=-5\end{cases}\) の解が \((x, y) = (2, -1)\) であるとき、定数 \(a\), \(b\) の値を求めなさい。

4. 【発展問題(文章題・解の吟味)】

\(10\%\) の食塩水と \(4\%\) の食塩水を混ぜ合わせて、 \(8\%\) の食塩水をちょうど \(300\text{ g}\) 作りたいと考えています。それぞれ何 \(\text{g}\) ずつ混ぜ合わせればよいか、連立方程式をつくって求めなさい。また、その解が問題の条件に適しているかどうかも述べなさい。


🔑 確かめ問題・章末問題の解答と解説

【第3節 確かめ問題の解答】

【問1】

解答大人 \(600\) 円、子ども \(300\) 円(この解は問題の条件に適している)

解説: 大人1人の入館料を \(x\) 円、子ども1人の入館料を \(y\) 円とおきます。

 連立方程式: \(\begin{cases}2x+3y=2100\\ \phantom{2}x+5y=1750\end{cases}\)

 計算:第2式を \(2\) 倍してひくと、 \(-7y = -1400 \implies y = 300\) です。これを代入して \(x = 600\) を得ます。

 吟味:金額としてともに正の整数(自然数)であり、現実の入館料の条件として適しています。

【問2】

解答この条件通りに購入することは不可能である(問題に適する解はない)。

解説: ケーキを \(x\) 個、プリンを \(y\) 個とおきます。

 連立方程式: \(\begin{cases}\phantom{200}x+\phantom{150}y=\phantom{26}15\\ 200x+150y=2620\end{cases}\)

 計算:第1式を \(150\) 倍してひくと、 \(50x = 370 \implies x = 7.4\) となります。

 吟味:個数 \(x\) は整数でなければなりませんが、計算結果は小数になります。したがって、代金の合計をちょうど \(2620\) 円にすることは現実には不可能です。

【章末問題の解答】

1. 【基本問題】

(1) \((x, y) = (2, 3)\):加減法を用います。式を足すと \(5x = 10 \implies x = 2\)。代入して \(y = 3\)。

(2) \((x, y) = (2, 3)\):加減法を用います。下の式から上の式を引くと \(2x = 4 \implies x = 2\)。代入して \(y = 3\)。

(3) \((x, y) = (6, 2)\):代入法を用います。 \(2(3y) + y = 14 \implies 7y = 14 \implies y = 2\)。代入して \(x = 6\)。

2. 【標準問題】

(1) \((x, y) = (2, 3)\):係数をそろえるため上の式を \(3\) 倍、下の式を \(2\) 倍して引くと \(5x = 10 \implies x = 2\)。代入して \(y = 3\)。

(2) \((x, y) = (4, 0)\):上の式を \(10\) 倍して \(3x – 2y = 12\) とし、下の式と係数をそろえて解くと \(x = 4\), \(y = 0\)。

(3) \((x, y) = (2, 2)\):上の式の分母を払うため \(3\) 倍して整理すると \(x + 3y = 8\)。下の式と連立して解くと \(x = 2\), \(y = 2\)。

3. 【発展問題】

解答\(a = 1\), \(b = -3\)

解説: \((x, y) = (2, -1)\) を代入して得られる連立方程式 \(\begin{cases}2a-\phantom{2}b=\phantom{-}5\\ \phantom{2}a+2b=-5\end{cases}\) を解くことで、 \(a = 1\), \(b = -3\) を得ます。

4. 【発展問題(文章題)】

解答10%の食塩水: \(200\text{ g}\) 、4%の食塩水: \(100\text{ g}\) (この解は問題の条件に適している)

解説: 食塩水の質量を \(x\text{ g}\), \(y\text{ g}\) とおくと、 \(\begin{cases}\phantom{0.10}x+\phantom{0.04}y=300\\ 0.10x+0.04y=\phantom{3}24\end{cases}\) となり、これを解くと \(x = 200\), \(y = 100\) となります。質量としてともに正の実数であり、問題に適しています。


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