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国語教育はどう変わる?次期指導要領が求める「高次の言語能力」と生成AI時代への対応

 次期学習指導要領において、国語科教育は、どのように改善されるのでしょうか。

 次期学習指導要領における国語科教育は、児童生徒が言葉を使いこなす「自立的な学習者」を育てるため、実社会・実生活の文脈を意識した「話や文章の機能(仮称)」に基づく指導への再編が進められます。

 中央教育審議会の教育課程企画特別部会令和7年9月25日に提示した「論点整理について(報告)」および令和8年4月以降の最新の国語ワーキンググループ(第7回等)の検討を踏まえ、重要度が高い順に整理した内容は以下の通りです。

1. 「話や文章の機能(仮称)」による指導事項の構造化
 従来の「話す・聞く」「書く」「読む」の3領域を、「言葉を使う目的」に即した機能ごとに整理し直します。
2. 「高次の資質・能力」の明確化
 「知識及び技能」と「思考力・判断力・表現力等」の深まりを一体的に示し、深い学びを具現化します。
3. 小・中学校での言語能力の確実な育成
 語彙の確実な定着と、文章を構造的・論理的に捉えて表現する力の系統的発展を重視します。
4. 高等学校国語の科目再編による調和
 現行の「現代の国語」等で生じた論理・文学の乖離を解消するため、標準科目「現代の国語Ⅱ」「言語文化Ⅱ」の新設など、全6科目への大幅な再編が行われます。

出典:中央教育審議会教育課程部会 国語ワーキンググループ[online]https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/107/index.html(CF.20260515)

1 改善の概要

 中央教育審議会において、次期学習指導要領に向けた国語科教育の改善は、生成AIの普及やデジタル化が進む実社会で「言葉を通じて的確に思考し、表現し、対話する力」を生涯にわたって発揮できる学習者を育成することを目指しています。

 令和7年9月25日の中教審「論点整理」を受けて始動した文部科学省の国語ワーキンググループでは、現行の「資質・能力の三つの柱」を継承しつつ、現場の指導者が「何をどのように深めるべきか」を可視化するための構造改革を議論しています。

① 話や文章の機能(仮称)を軸とした領域の再編

 従来の「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」という形式的な3領域の区分は、実際の社会生活において複合的に用いられます。最新の国語WG(令和8年4月開催・第7回など)では、「言葉を使う目的(仮称)」に焦点を当て、「説明・報告」「説得・論証」「叙述・表現」「対話・交流」といった「話や文章の機能(仮称)」ごとに指導事項を統合・構造化する方向で検討が重ねられています。
 これにより、国語の授業が単なる形式的なスキルの習得にとどまらず、実生活の文脈で機能する生きた言語能力の育成へとシフトします。

② 「高次の資質・能力」と資質・能力の系統性の可視化

 指導要領の煩雑化を防ぐため、従来の「中核的な概念等」という表現を分かりやすく改め、「高次の資質・能力」という枠組みの中で「知識及び技能」と「思考力・判断力・表現力等」がどのように一体化し、深まっていくのかを系統的に示します。これにより、児童生徒が単に漢字や文法を「知っている」状態から、自らの思考を深めるための道具として「使いこなせる」状態へのステップアップが可視化されます。

③ 高等学校国語科の大幅な科目再編

 小・中学校での共通的な言語能力の育成を受け継ぎ、令和14年度(2032年度)から年次進行で実施される高等学校では、現行の選択科目構成が大幅に見直されます。
 現行の「現代の国語」と「言語文化」という必修2科目の枠組み(それぞれ「Ⅰ」を付して維持)を土台としつつ、選択科目を従来の4科目から「標準科目2つ(現代の国語Ⅱ、言語文化Ⅱ)」「発展科目4つ(論説と批評、対話と表現、文学と叙述、古典と文化)」の計6科目に再編する案が令和8年5月に文部科学省から示されました。これにより、実用的な論理文章と文学・古典とのバランスある育成を担保し、AI時代だからこそ求められる「感性や共感、対話の力」を育む教育課程へと改善されます。

2 改善のポイント

 令和7年9月25日の「論点整理(報告)」および令和8年5月時点までの最新の国語WGでの審議に基づき、小・中学校の共通課題・改善を優先しながら、高等学校への発展を見据えた改善ポイントを洗い出して比較します。

校種改善の視点現行 学習指導要領の内容・現場の課題次期 学習指導要領における改善の方向性
小中共通指導事項の構造化「話す・聞く」「書く」「読む」の3領域が形式的に独立し、実際の言語生活との乖離が見られる。「言葉を使う目的(仮称)」や「話や文章の機能(仮称)」に基づいて指導事項を統合・再整理する。
小中共通資質・能力の深まりの可視化「知識・技能」と「思考・判断・表現」が並列的で、どのように結びついて学年ごとに深まるかが曖昧。「高次の資質・能力」として、二つの柱の一体的な育成と系統的な発展を構造的に分かりやすく明示する。
小中共通語彙の指導と確実な定着単語の意味理解や暗記にとどまり、文脈に応じた適切な語彙の選択や実生活での活用が不十分。思考や表現を支える語彙の重要性を再定義し、「知識及び技能」の構造的な整理により実生活での活用力を促す。
小中共通論理的思考力の育成テキストの要約や抜き書きに偏りがちで、自らの考えを論理的な構造で組み立てる力が弱い。事実と言葉、根拠と主張の関係を捉え、「説得・論証」などの機能を通じて批判的・論理的思考力を高める。
小中共通対話・言語交流の質の向上話し合い活動の形式的な実施(時間の消化)になりがちで、互いの考えを深め合う対話になっていない。「対話・交流」の機能を意識し、他者の多様な視点を受容しながら新たな考えを共創する対話力を重視する。
小中共通生成AI等デジタル社会への対応キーボード入力の定着に差があり、デジタルテキストを批判的に読み解く(情報の信憑性評価)指導が不足。AI時代の到来を見据え、情報手段の特徴(長所・短所)を理解し、情報の信頼性を吟味・評価して使う言語能力を育成。
小中共通読書活動と感性の育成スマートフォン等の普及により長文の読書離れが進み、情緒的な表現への共感や豊かな感性の育成が課題。文学的な文章の「叙述・表現」に触れることで、登場人物の心情や言葉の響きを深く味わう感性を再び重視。
小学校低学年における言語の基盤幼児教育からの円滑な接続(アプローチカリキュラム)と、音声言語から文字言語への移行のスムーズな接続。幼児期の言葉の経験を踏まえ、話す・聞く活動と連動した文字・表記の習得およびスタートカリキュラムの充実。
小学校中・高学年の情報活用能力調べ学習において、複数の資料から必要な情報を抜き出すだけで、自らの言葉で再構成・再発信できていない。複数の情報源(グラフ、画像、テキスト)を関連付け、「説明・報告」の文脈で整理して記述する力を徹底。
中学校論理的な文章の評価と表現社会的な事象に対して、自身の立場を明確にした意見文の執筆や、相手を納得させるプレゼン力の育成が不十分。根拠の妥当性を吟味させ、「説得・論証」の構造を用いて、社会に参画するための主体的な表現力を強化する。
中学校古典教育の親しみと意義古文・漢文のきまり(歴史的仮名遣い等)の暗記に終始し、伝統的な言語文化の面白さを実感しにくい。我が国の伝統的なものの見方・考え方に触れ、現代の日常の言葉や文化とのつながりを実感できる指導の充実。
高等学校科目構成の整合性とバランス現行の「現代の国語」において、一部で文学作品が排除されるなど「論理」と「文学」の二者択一的な乖離が発生。必修(現代の国語Ⅰ・言語文化Ⅰ)の枠は維持しつつ、選択を標準2科目・発展4科目の計6科目に再編して乖離を解消。

3 現行の課題と改善内容

(1) 全教科共通の改善ポイント

1. 「主体的に学習に取り組む態度」の数値評価からの除外と記述・個人内評価への移行
 現行の観点別学習評価において、評価の客観性確保や教員の業務負担軽減が長年の課題となっていた「主体的に学習に取り組む態度」の3段階等による目標準拠評価(数値評価)を廃止し、評定(5段階等の評定総括)の積算対象から除外する方針である。
 今後は、児童生徒が自らの学びを振り返り調整する姿を看取るための「個人内評価」としてその役割を再定義する。通知表や指導要録等においては、数値による観点別評価を排し、所見欄等の活用による記述式評価や記号を用いた見取りへと移行することで、評価業務の適正化と実質的な授業改善への集中を図る。

2. 評価の二観点化による数値評価の重点化
 上記の評価改革に伴い、今後の通知表や指導要録における観点別の数値評価および評定算出は、「知識・技能」および「思考・判断・表現」の二つの観点へと重点化される。
 これにより、客観的に計測・評価可能な側面に数値評定を集中させ、児童生徒や保護者に対しても「何が身に付き、どこで思考が深まったか」をより明確かつ納得感のある形でフィードバックできる体制を全教科等で確立する。

3. 新領域・新教科の設置に伴う情報活用能力の全教科展開
 生成AI等の急速な普及やデジタル社会の深化を受け、情報活用能力を「あらゆる学習の基盤」としてすべての教科で系統的に育成する。
次期学習指導要領に向けては、小学校段階における「情報の領域(仮称)」の新設や、中学校段階における「情報・技術科(仮称)」の再編設置が議論されている。これに伴い、全教科等において単に端末を利用する段階から、提示された情報やAIが出力したテキストの信憑性を批判的に読み解くメディアリテラシー(クリティカル・シンキング)や、著作権、情報モラル、データの適切な扱いを、各教科の探究的な学習活動に確実に組み込む指導への高度化を推進する。

4. カリキュラムの構造化による教育課程の明確な可視化
 学習指導要領が示す「資質・能力の三つの柱」を、各学校現場がより実効的に教育課程に反映できるよう、目標の構造化を図る。各教科・科目において、学習の目的や場面に応じた共通の機能カテゴリや、資質・能力の段階的な見通しを明瞭に提示する。
 これにより、指導者が単元の目的や他教科とのつながりを明確に意識し、見通しの良いカリキュラムマネジメントを効果的に編成できる体制を構築する。

5. デジタル学習基盤の早期定着と指導の系統化
 GIGAスクール構想による1人1台端末をすべての教科の授業で効果的に使いこなすため、デジタル入出力のスキルを学習の共通基盤として位置付ける。
 特に小学校のスタートアップ期におけるキーボード入力(タイピング)や音声入力等の指導手順を全教科共通の基盤として体系化する。「手書きによる身体的な習得」と「ICTによる効率的な表現」のバランスを最適化し、全ての教科等において端末を思考の道具として滑らかに活用できる指導体制を目指す。

6. 対話の質の向上と協働的な合意形成・課題解決の重視
 主体的・対話的で深い学びの形骸化を防ぐため、すべての教科における話し合い活動の質的向上を図る。単なる感想の交流や同調的なグループワークにとどまらず、「異なる意見を整理し、客観的根拠をもとに調整して、新たな最適解を導く合意形成のプロセス」を重視する。
各教科の特質に応じた適切な対話の方法(数学的な説明、道徳的な価値の議論など)を段階的に指導し、集団として質の高い課題解決へと導く資質・能力を育成する。

7. 情報活用能力を基盤とした探究的な学びの全教科横断展開
 「総合的な学習(探究)の時間」で培う探究のプロセス(課題の設定、情報の収集、整理・分析、まとめ・表現)を基礎としつつ、次期課程では「情報活用能力」をその中核的基盤に位置付ける。小学校の総合的な学習の時間内等に新設が検討されている「情報の領域(仮称)」等で習得した情報の収集・分析スキルを背景に、理科、社会、算数・数学などすべての教科において、自ら問いを立てて仮説を検証する探究的な授業デザインへの転換を全教科等で推進する。

8. 幼少中高の連続性確保と多様なニーズに対応する接続期カリキュラムの強化
 校種間の移行期における学習環境の急変や段差(いわゆる中1ギャップ小1プロブレム)を緩和するため、総則を含めた教育課程全体の接続性を強化する。小学校低学年における「スタートアップカリキュラム」による幼児期の経験との円滑な接続を図る。また、中学校から高等学校への移行や生徒の多様な進路に応じた柔軟な教科・科目の選択配置を可能とするとともに、不登校等の児童生徒への配慮事項や特別の教育課程の特例に関する事項を総則等へ反映し、誰一人取り残さない学びの連続性を担保する。

(2) 国語科の改善ポイント

 次期学習指導要領における国語科教育の具体的な改善のポイントは、これまでの「資質・能力ベースの三つの柱」を、学校現場で真に機能する指導・評価へと昇華させることにあります。

 令和7年9月25日の「論点整理(報告)」および国語WG(第7回)の最新情報を踏まえ、現行の課題を克服するための具体的な改善点を、重要度および校種共通性の高い順に解説します。

 1. 「言葉を使う目的(仮称)」に応じた話や文章の機能による整理(小・中・高共通)

  • 現行の課題:現行指導要領の「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」の3領域による整理は、国語の授業内でそれぞれの技能が切り離されて指導されがちでした。
  • 改善点:実社会での言語生活に即し、「説明・報告」「説得・論証」「叙述・表現」「対話・交流」といった「話や文章の機能(仮称)」を軸に領域を横断・構造化します。これにより、例えば「説明するために読み、それを書く」といった、目的を持った一連の言語活動が自然に展開されるようになります。

2. 「高次の資質・能力」の提示による深い学びの具現化(小・中・高共通)

  • 現行の課題:指導要領に示された多くの指導事項が、単なる知識の羅列やチェックリストのように扱われ、授業における「見方・考え方」の深まりや一体的な育成が見えにくい課題がありました。
  • 改善点:新たな用語の氾濫を防ぐため、従来の用語を統合する形で「高次の資質・能力」を定義します。これにより、「知識及び技能」の確実な定着(語彙の獲得など)と、「思考力・判断力・表現力等」の系統的な発展の関係性が目に見える形で整理され、指導者は「この単元でどの力を一段高いレベルへ引き上げるか」が明確になります。

3. デジタル・生成AI時代に対応した情報吟味・編集力の育成(小・中共通)

  • 現行の課題:GIGAスクール構想による1人1台端末の普及が進んだ一方、ネット上の情報を鵜呑みにしたり、コピペ(複製)するだけの調べ学習にとどまったりする事例が散見されました。
  • 改善点:テキストだけでなく画像や動画、AIの出力した文章を含め、情報の信頼性や妥当性を批判的に吟味(クリティカル・リーディング)する言語能力の育成を明記します。複数の資料を比較・関連付け、自分の言葉で再構成(エディット)して発信する力を小学校高学年から段階的に徹底します。

4. 高等学校における「論理」と「文学」の二者択一からの脱却と科目再編(高校)

  • 現行の課題:現行の「現代の国語」では、実用的な論理的文章の扱いが強調された結果、教科書から小説などの文学作品が排除される「論理 vs 文学」の対立・乖離を生み、高校現場での混乱が生じていました。
  • 改善点:必修の枠組み(現代の国語Ⅰ・言語文化Ⅰ)を維持した上で、令和8年5月に発表された最新の文科省再編案により、選択科目を標準科目2つ(現代の国語Ⅱ、言語文化Ⅱ)と、より深化させた発展科目4つ(論説と批評、対話と表現、文学と叙述、古典と文化)の計6科目に大幅再編します。これにより、AI時代だからこそ人間の感性や読書、古典に親しむ文化的素養と、実用的な対話表現力を偏りなく選択・発展させることが可能となります。

4 指導計画(例)

 国語ワーキンググループで審議されている「話や文章の機能(目的)」の整理に基いた、小学校・中学校・高等学校を貫く指導計画案です。次期学習指導要領では、従来の「読む」「書く」「話す・聞く」という領域ごとの縦割りを排し、「どのような言語的な目的・機能(言語行動の目的)を果たすか」という軸で授業を設計します。
 本計画は、「情報の処理・伝達(インプット・アウトプット)」から「論理的思考・合意形成(社会参画)」へと、校種が上がるにつれて高度化するよう系統的に設計されています。

(1) 小・中・高「話や文章の機能」指導計画(案)

言語の機能(目的)小学校の指導重点中学校の指導重点高等学校(現代の国語Ⅰ・Ⅱ / 新科目)の指導重点
① 記録・報告
(事実を正確に写し取る)
・観察日記の作成
・体験したことの順序に沿った報告
・短いインタビューの記録
・社会科見学や理科の実験レポートの作成
・事実と個人の意見を明確に区別した活動報告
・フィールドワークに基づく本格的な調査報告書の作成
・多角的な一次データの客観的な要約と提示
② 説明・解説
(物事の仕組みを伝える)
・リーフレットや新聞づくり(紹介)
・事典の使い方と要点の要約
・日常の事象の理由を順序立てて説明
・多角的な図表やデータを引用した解説文の執筆
・複数のテキストを比較・統合したレポート
・新科目「論説と批評」等における、抽象的概念や社会現象の論理的解説・論文作成
③ 論述・説得
(自身の主張を通す)
・根拠を明確にした意見文の作成
・提案理由を明確にした学級活動での発表
・読書感想文での推し本の紹介
・根拠の妥当性を検証した上で書く論説文
・社会問題に対する意見書の執筆
・反論を想定したスピーチ
・新科目「論説と批評」における多角的な学術論考の執筆
・批判的読解に基づく小論文・書評の作成
④ 対話・合意形成
(他者と協働する)
・話し合いのルールの習得
・役割(司会・記録など)分担の体験
・互いの意見の共通点・相違点の発見
・異なる立場や利害関係を調整する話し合い
・学級や地域課題に対する解決策の合意形成
・新科目「対話と表現」におけるディベート、模擬国際会議、他者と協働するワークショップ
⑤ 吟味・評価
(信頼性を確かめる)
・【新設】情報の信頼性の吟味(小2~)
・図書室の本とネット情報の比較
・表現の効果の捉え方の習得
・メディアリテラシーの育成(広告やニュースの意図の分析)
・他者の主張の論理的矛盾の指摘
・生成AIが出力した文章の妥当性・倫理性の評価
・社会的・文化的な言説に対する高度な批評

(2) 「1つの単元」の授業展開イメージ

 この計画に基づき、「1つの機能」を軸にして、領域(読む・書く・話す)を横断した単元を設計します。

ステップ中学校:機能「③ 論述・説得」および「④ 対話・合意形成」を軸とした12時間単元の例
1【読む】
4時間
 地域の環境問題を扱った複数の論説文や、統計データを読み解く。筆者がどのような「根拠」を用いて読者を「説得」しているか(テクニック)を分析・吟味する。
2【書く】
4時間
 ステップ1で学んだ説得の手法(データ引用、反論への配慮)を使い、自分自身の「地域課題に対する解決策の提案意見書」を論理的に執筆する。
3【話す・聞く】
4時間
 各自が書いた意見書を持ち寄り、グループでディスカッションを行う。単に自分の主張を述べる(論述)だけでなく、互いの妥協点を見つけ出し、班としての「最適解」を1つにまとめる(合意形成)。

(3) 指導計画作成における留意点

 次期学習指導要領におけるこの「機能軸への移行」は、「国語の授業の中で、教科横断的なスキルを完結させる」という強いメッセージをもっています。
 例えば、「記録・報告」の機能は理科の実験レポートや社会科の調査に直結し、「対話・合意形成」は総合的な探究の時間や特別活動の土台となります。
 国語科単体で文学の鑑賞や文法の暗記に終始するのではなく、「この単元で育てた言葉の機能は、子どもの実生活や他教科のどこで生きて働くのか」を常に意識したカリキュラム・マネジメントが必要です。

5 今後の取組

 次期学習指導要領の全面実施(小学校:令和12年度、中学校:令和13年度、高等学校:令和14年度から年次進行)に向けて、国語科教育は「言葉を単に学ぶ教科」から「言葉で社会とつながり、主体的に生きる力を育てる教科」へとシフトするための具体的な取組が求められます。

 中央教育審議会の最新の論点整理および国語WGの審議を総括すると、今後の教育現場や自治体が取り組むべき方向性は以下の3点に集約されます。

1. カリキュラム・マネジメントの再構築
 学校現場では、新設される「話や文章の機能(仮称)」に沿って、単元計画を柔軟に組み替える必要があります。
 従来の教科書の順番通りに進めるだけでなく、「説明・報告」や「対話・交流」といった目的別の言語活動を他教科や「総合的な学習の時間」とも関連付けて位置づけることが不可欠です。
2. 生成AI等の適切な活用と指導法の確立
 AIが出力した文章を批判的に修正(推敲)する活動や、多様なデジタルテキストの信憑性を比較検討する授業づくりなど、GIGA端末を文房具としてフル活用した指導法の研究・教員研修を自治体レベルで加速させる必要があります。
3. 「高次の資質・能力」に応じた評価方法の工夫
 ペーパーテストによる知識の成否だけでなく、パフォーマンス評価などを取り入れ、児童生徒が自立的な学習者として言葉をどう使いこなせているかを看取る評価へのアップデートが留意点となります。

出典:中央教育審議会教育課程部会 国語ワーキンググループ[online]https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/107/index.html(CF.20260515)

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